異常タンパク質蓄積による神経変性疾患発症の分子機構の解明
Project/Area Number |
16015288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
嘉村 巧 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (40333455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
畠山 鎮次 北海道大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70294973)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | 神経変性性疾患 / ユビキチン / E4B |
Research Abstract |
ユビキチン・プロテアソーム系は基質特異的なタンパク質分解機構であり、基質に特異的にユビキチンを多数結合させる反応(ポリユビキチン化)は、ユビキチン結合酵素(E1)、ユビキチン活性化酵素(E2)、ユビキチンリガーゼ(E3)の複合酵素系によって行われると考えられてきた。さらに、最近になって基質の種類によっては、E1-E2-E3に加えてユビキチン鎖伸長因子(E4)を必要とするポリユビキチン化反応があることが報告された。われわれは、出芽酵母で同定された、ユビキチン鎖伸長因子(E4)であるUfd2の哺乳類ホモログE4B/UFD2aを同定した。E4BはそのC末端にU-ボックスドメインを有す。E4Bは、成体マウスでは主に大脳、小脳などの神経組織に発現が高く認められ、またポリグルタミン病の原因遺伝子産物(MJD1)のユビキチン化にE4として関わっており、神経組織におけるユビキチンシステムとの関連が示唆された。 哺乳類個体におけるE4Bの分子機能を解析するためにE4Bノックアウト(-/-)マウスを作製したところ、E4B-/-マウスは胎生12〜13日で、頭部、頸部、心臓、腹部などに血管の拡張や出血を認め、致死に至った。また、心筋組織には広汎なアポトーシスが認められ、心臓の発生、成熟過程に異常が認められた。プロテオーム解析では、E4B-/-マウスにおいて脱ユビキチン化酵素であるUCHL1の分子量に変化がみられた。一方、生後6ヶ月以上経過したE4B+/-マウスにおいては、後足を引きずって歩くなどの歩行に異常が認められた。延髄薄束核では軸索末端が腫大し、軸索の変性が多数認められた。これらはUCHL1自然変異マウスであるGadマウスと類似の表現系であった。ユビキチン鎖伸長因子の機能低下による、ユビキチンシステムの機能異常と神経変性について解析を進めているところである。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)