脳内HDLの機能;脳コレステロール輸送と障害の修復
Project/Area Number |
16015294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
伊藤 仁一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60167260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 信治 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10142192)
堂前 純子 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70227700)
辻田 麻紀 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10253262)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | HDL / アストロサイト / コレステロール / FGF-1 / オートクリン |
Research Abstract |
脳内HDLが中枢神経組織構築や障害修復機転に重要な役割をもつことが次第に明らかになり、アストロサイトの分泌するapoEによって新生されるHDL(apoE/HDL)の脳内コレステロールホメオスタシスおよび中枢神経系組織構築や損傷修復における役割は多大であると思われる.血液脳関門により体循環から隔てられた中枢神経組織という特殊な環境下にあって、アストロサイトによって新生されるapoE/HDLの多岐にわたる機能の作用機序の解明はアルツハイマー病や脳損傷などに限定されず脳全般に渡る機能障害とその修復機構解明に大きく寄与する.われわれは、正常マウス、apoE欠損マウスを用い、脳損傷(凍傷)後のFGF-1産生、apoE産生を解析し、様々な障害におけるFGF-1/apoE-HDL系の傷害修復機転に於ける特異性を検討した。 apoE欠損マウスと正常マウスの大脳にドライアイスで凍傷損傷を作成し、経時的にfibroblast growth factor-1(FGF-1)とapoEの産生を観察した.正常マウス大脳では、損傷後2日でFGF-1の産生が認められ、損傷後4日以降にapoEの産生が認められた.一方、apoE損傷マウス大脳ではapoE産生は認められなかったものの、FGF-1産生は正常マウス大脳と同様に損傷後2日後に認められた.脳損傷後2週間において、脳損傷部位の半径は見かけ上apoE欠損マウス大脳に比べ、正常マウス大脳では著しく退縮しており、apoE欠損マウス大脳の損傷修復に遅延が認められた.以上のことから、損傷後の脳においてFGF-1の産生は、apoEのそれに先行し、FGF-1を介したapoE産生亢進システムは、脳損傷修復において大きな役割をもつことが示唆された.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)