シナプトトロフィン-小脳神経回路形成と長期抑圧(LTD)を制御する新しい分泌因子
Project/Area Number |
16015300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柚崎 通介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40365226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸田 和久 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40334388)
松田 恵子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40383765)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | プルキンエ細胞 / 小脳 / 平行線維 / グルタミン酸受容体 / シナプス可塑性 / シナプス形成 / マウス |
Research Abstract |
シナプトトロフィンI(StpnI)は腫瘍壊死因子(TNFα)と類似した新しいサイトカインで、小脳顆粒細胞で合成される。StpnI欠損マウスでは、顆粒細胞軸索(平行線維)-プルキンエ細胞シナプスの接触状態が著明に低下し、また小脳における運動学習の基礎をなすシナプス可塑性である長期抑圧(LTD)が障害され、小脳失調を呈する。これらの所見は、驚くべきことにシナプス後部のプルキンエ細胞に特異的に発現しているδ2型グルタミン酸受容体を欠損するマウスの表現型と酷似している。平成16年度は、StpnIを介するシナプス調節機構を解明するために、StpnIの分泌・活性化過程を詳細に検討した。StpnIは培養顆粒細胞から3量体として分泌され、シナプスを越えてプルキンエ細胞に移行することを初めて明らかにした。また、δ2受容体とStpnIシグナル系との相同性を明らかにするために、まずδ2受容体を介するシグナル伝達系について検討を加え、δ2受容体の活性化にはグルタミン酸などのリガンドは必要がないことを明らかにし、この結果を幾つかの論文として報告した。次に、δ2受容体とStpnIをともに欠損するマウスを作成して、解析を加えたところ、ダブル欠損マウスにおける表現型は、それぞれの欠損マウスの表現型が加重しないことがわかった。このことから、δ2受容体とStpnIを介するシグナル伝達系の一部が共有されていることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)