Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Research Abstract |
近年のアルツハイマー病研究の進展により,α-,β-およびγ-セクレターゼがアルツハイマー病の発症に重要な役割を果たすことがわかってきた.これらの酵素はお互いに相関しながらアミロイド前駆体蛋白質(APP)に働き,老人斑の原因となるアミロイドβ-ペプチド(Aβ)の蓄積を起こす.そこで,これらの酵素活性を制御することにより,アルツハイマー病の予防あるいは治療をめざした.我々の確立したプロテアーゼの基質遷移状態誘導体概念に基づく酵素阻害剤の分子設計の方法論を,アルツハイマー病発症に重要な役割を果たすセクレターゼに応用して,その制御分子のデザインと合成を行った. すでにアスパラギン酸プロテアーゼであるβ-セクレターゼ阻害活性を持つ化合物を得ているので,リードオプチマイゼーションを行った.その結果,テトラゾール基を有する化合物KMI-420とKMI-429を得た.これらの化合物は安定性が向上し,酵素阻害活性も高かった. また,α-,β-およびγ-セクレターゼがお互いに相関しながら,阻害と活性化が進行して複雑にアミロイド産生していると考えられるので,酵素の分子認識に基づいて阻害剤のみならず活性化物質も探索して,アミロイド産生を抑制を試みた. アルツハイマー病治療薬として現在,アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が認可されているが,酵素の分子認識に基づいて制御物質をデザインする方法論は,耐性が生じた場合の克服法にも応用でき有利であると思われる.
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