嗅索ガイドポスト細胞の腹側接線方向への移動を制御する分子機構
Project/Area Number |
16015309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
川崎 能彦 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (00322751)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Keywords | lot細胞 / 嗅球軸索 / netrin-1 / DCC / 神経細胞移動 / 神経発生 |
Research Abstract |
これまでの研究から、嗅球軸索が伸長する領域(予定嗅索領域)には、我々がlot細胞と名付けた神経細胞が嗅球軸索の伸長に先だって帯状に配列し、軸索伸長をガイドするように働くことがわかっていた。また、lot細胞は胚発生期に終脳背側の新皮質領域で産生された後、終脳表層を腹側接線方向に移動することで予定嗅索領域に供給されることもわかっていた。 本研究では、lot細胞の移動がどのようにして制御されているのかについて解析を行った。まず、培養下でlot細胞の移動を再現する組織片培養系を確立し、この培養系を使ってさまざまな組み合わせ培養を行った。その結果、(1)新皮質領域から予定嗅索領域へ向けて勾配を持ったlot細胞の誘引作用が存在すること、(2)予定嗅索領域の腹側の領域にはlot細胞の侵入を阻害する機構が存在することが明らかとなった。次に、この組織片培養系を用いてlot細胞の移動に関与する分子の検索を行った。その結果、神経軸索伸長や神経細胞移動のガイド分子として知られるNetrin-1が培養系でlot細胞の移動を誘引することを見いだした。そこで、Netrin-1とその受容体分子であるDCCの遺伝子破壊マウスを用いて、実際に生体内でNetrin-1がlot細胞の移動を制御しているのかを解析したところ、これらの遺伝子破壊マウス胚では、lot細胞の移動に異常が生じていることが明らかとなった。また、嗅球軸索をガイドするlot細胞の分布の異常にともなって、嗅球軸索の伸長にも異常が生じていることが明らかとなった。その他に、lot細胞の移動するようすをタイムラプス撮影することを試みており、これまでに細胞の移動の様子や、進行方向を変更する様子などを撮影することに成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)