歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症モデルマウスの病態生理
Project/Area Number |
16015336
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
青崎 敏彦 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 副参事研究員 (70221033)
|
Project Period (FY) |
2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
|
Keywords | 神経変性疾患 / トリプレットリピート病 / ポリグルタミン鎖 / トランスジェニック / 電気生理 |
Research Abstract |
歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)の病霞は患者のDRPLA遺伝子のCAGリピート(ポリグルタミンをコード)の異常伸長が異常蛋白の核内集積、転写障害を引き起こし、機能異常をもたらすと考えられている、我々は伸長した変異DRPLA遺伝子(129リピート)を導入したトランスジェエックマウス(Q129)から得られた脳切片を用いてDRPLAの病態生理を海馬、小脳、淡蒼球で電気生理学的に検討した。このマウスは生後早期にてんかんとミオクローヌスが出現して生後16週までには死亡する。無症状の生後8-13日齢のマウスの小脳深部核では異常は認められなかったが、4-5週齢の淡蒼球ではpaired pulse facilitation (PPF)からpaired pulse depression (PPD)への逆転が見られた。同じ時期の小脳プルキンエ細胞では登上線維剃激によるEPSCのdacay constanga短縮していた。12週齢では登上線維ならびに平行線維によるBPSCのpaire pulse ratioの低下が認められ、登上線維からのシナプス形成は正常であったが、遠位の樹状突起の退縮があることが電気生理学的に推定された。海馬CA1領域の錐体細胞では4-5週齢では大きかったEPSCが14-15週齢になると小さくなり、PPFも増大していった。14-15週齢の末期ではEPSCの減弱とNMDA/AMPA比やpaired pulse ratioの増大、AMPA受容体およびGABA受容体の減少が観察された。NMDA受容体はそれに比して変化は認められなかった.また受容体そのもののkineticsは正常であった.さらに、CREBの系の関与が疑われたため、シナプス伝達のlate phaseの長期増強現象が障害されているか否かについて調べたところ、弱い剃激条件下(テタヌス1園)では長期増強のearly phasはコントロールに比べて長く続かなかった。4回のテタヌスを与えるとearly phaseにもlate phaseにも有意差は認められなかった.以上のことからポリグルタミン鎖の異常伸長は年齢依存的および脳部位特異的にシナプス機能の異常とシナプス可塑性の異常を来たすことが窮らかとなった.その共通の異常の可能性としては細胞内カルシウムのhomeostasisの異常が考えられ、このことがDRPLA症状発現の原因のひとつと考えることができる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)