軌道アトラクタによる人間の動的パターン処理のモデル化
Project/Area Number |
16016207
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森田 昌彦 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (00222349)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
|
Keywords | 軌道アトラクタ / 大自由度力学系 / 神経回路 / 選択的不感化 / 動的連想 / 視覚特徴統合 |
Research Abstract |
本研究は,人間の動的なパターン情報処理の基本的な過程を,軌道アトラクタを用いてモデル化すると共に,柔軟で人間的な動的パターン認識やロボットの運動制御など応用可能な情報処理モデルを構築することを目指したものである.軌道アトラクタとは強い吸引力をもつ線状のアトラクタであるが,非単調入出力特性をもつ素子で構成された回帰型ニューラルネットは,与えられた軌道に沿って容易にそのようなアトラクタを形成することができ,従来にはない多くの優れた特徴があるため,自律ダイナミクスを活用した情報処理のモデルとして期待されている.しかし,自律ダイナミクスを用いた情報処理システムに共通する大きな課題として,様々な文脈に応じて異なる情報処理を行うことが困難という問題があった. 昨年度までの研究により,この問題を解決する手法である「選択的不感化による文脈修飾」の計算論的必要性および生物学的妥当性を明らかにしたが,本年度はこれらの研究をさらに進め,人間の脳でも同じ手法を用いていることを示唆する心理学的知見などを得た.また,軌道アトラクタモデルにこの手法を適用することによって,大自由度力学系によるパターンベース推論のモデルを構築した.このシステムは,シンボルや局所表現を全く用いることなく推論を実行でき,比較的少ない知識を学習するだけで多くの未学習の問い対して適切に答えるなど,高い類推能力をもつ. これらの成果は,軌道アトラクタを用いた情報処理モデルの大きな可能性を示しており,より人間的な知能ロボットなどへの応用が期待される.
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)