ヒト腸上皮の微生物認識機構と内因性抗菌ペプチドによる殺菌機能の分子基盤
Project/Area Number |
16017208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
綾部 時芳 旭川医科大学, 医学部, 寄附講座教員 (90301019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高後 裕 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10133183)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥9,400,000 (Direct Cost: ¥9,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
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Keywords | 自然免疫 / 内因性抗菌ペプチド / 粘膜免疫 / デフェンシン / 消化管 / 腸内細菌 / パネート細胞 / 微生物認識 / Paneth細胞 / 微生物 |
Research Abstract |
本研究では、ヒト小腸パネート細胞由来の分泌物をRP-HPLCおよび電気泳動法等を用いて分離して、生化学的および免疫学的に解析した。また、われわれの既報で得た小腸陰窩細胞を用いて、パネート細胞および他の腸上皮細胞群におけるToll様受容体や内因性抗菌ペプチドをはじめとする自然免疫関連遺伝子および蛋白の発現を検討することにより、ヒトのパネート細胞の細胞シグナル伝達分子機構を解析した。ヒト小腸パネート細胞にToll様受容体遺伝子または蛋白の発現を認めた。免疫組織学的検討により、Toll様受容体は陰窩の最基底部に発現していた。ex vivo細菌曝露によるヒト小腸パネート細胞分泌系を用いて抗菌活性アッセイを行い、パネート細胞における微生物認識と感染防御機能が関与している可能性を示した。また、単離小腸陰窩と,S.typhimurium, E.coliまたは腸内常在細菌であるLactobacillusをex vivo共培養したところ、検討したいずれの上清中にサルモネラ殺菌活性を認めた。さらに、Western blot解析により、これらの上清中に内因性抗菌ペプチドを認め、各種細菌によるパネート細胞分泌誘導を証明し、微生物感染に対するパネート細胞由来デフェンシンによる感染防御機能を明らかにした。 本研究によって、上皮細胞による微生物の認識から内因性抗菌ペプチド分泌およびその殺微生物活性への分子機構を明らかにした。消化管粘膜免疫における自然免疫系が生物学的、免疫学的に重要である可能性を示した。難治疾患と自然免疫、特に内因性抗菌ペプチド関与の解明は、今後の重要なテーマであると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)