TLRによるRaclとNoxlの活性化を介した消化管粘膜上皮細胞の自然免疫応答
Project/Area Number |
16017269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
六反 一仁 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10230898)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 消化管粘膜上皮細胞 / 自然粘液応答 / NADPH oxidase 1 / Nox1 organizer 1 / 活性酸素 / TNF-α / AP-1 / SP1 / Toll様受容体 / 自然免疫応答 / 発がん / ヘリコバクタ・ピロリ菌 / フラジェリン |
Research Abstract |
胃粘膜上皮細胞と管腔内病原菌との相互作用の研究から、消化管粘膜固有の自然免疫応答を制御するあらたな機構として、TLRファミリーを介する新規活性酸素産生酵素NADPH oxidase1(Nox1)の活性化と、Nox1由来の活性酸素によるNF-κBの活性化経路を見いだした。胃表層粘液細胞のNox1は、LPS-TLR4を介して誘導され、腸上皮細胞は、flagellin-TLR5を介してNox1が活性化されることを明らかにし、管腔内の環境に応じてTLR分子を巧妙に使い分けていることを示した。胃粘膜細胞においては、LPS-TLR4がNox1遺伝子と新規アダプタータンパク質Nox organizer 1(NOXO1)遺伝子の転写を活性化すること、及びPI3 kinase依存性にRac1を活性化し、この両者がそろって初めてNox1が活性化されることを示した。腸上皮細胞においては、Nox1の誘導より、むしろNOXO1の誘導によりNox1の活性が制御されていることをつきとめ、さらに、TNF-αは腸上皮細胞株(T84細胞)のNOXO1を強力に誘導することを見いだした。本年度は、NOXO1遺伝子の上流4.8kbpをクローニングし、NOXO1の基本転写活性とTNF-αによる転写活性化のメカニズムを中心に検討した。 T84細胞のNOXO1遺伝子の基本転写活性には、EtsとSP1が重要であること、及び、TNF-αによる転写活性化にはAP1が重要であることを、プロモーターセグメントの転写活性とそれぞれのシス領域のミュータントを用いて明らかにした。さらに、TNF-αのシグナル伝達経路とAP1の活性化も検討し、TNF-αがc-JUN,c-FOSの活性化とAP1のDNA結合活性を誘導することを証明した。 本研究は、消化管におけるNox1研究の先駆的な研究成果を挙げてきた。TLRによるNox1の活性化、その分子機構、Nox1及びNOXO1遺伝子の転写活性化機構、の研究成果は全て初めての報告となった。これらの研究成果は、Nox1を介する消化管粘膜固有の自然免疫応答の新しい経路を確立し、炎症性疾患と発がんの病態解析に新たな可能性を提供した。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)