Project/Area Number |
16017290
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
渡部 久実 琉球大学, 遺伝子実験センター, 教授 (50143756)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富山 智香子 新潟大学, 医学部, 教務職員 (80359702)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
|
Keywords | マラリア感染防御 / 免疫抑制機構 / 肝樹状細胞 / plasmocytoid DC / CD11c^<low> ClassII^-DC / INF-α産生 / myeloid DC / DCのpopulation変化 / 肝NKT細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
【目的】マラリア感染における宿主の免疫抑制現象、特にT細胞応答の抑制はマウスモデルやマラリア患者の解析からよく知られていた。その原因として、regulatory T細胞の誘導、helper T細胞のアポトーシスや抗原提示細胞の機能不全などが報告されているが、近年樹状細胞(DC)の成熟阻害や機能変化が注目されてきている。本研究では、ネズミマラリア原虫P.yoelli17XNL(非致死株)を用い、感染防御能の増強とは相反する現象である免疫抑制機構を肝DCの動態から解明し、ワクチントライアルへの基礎的知見を得ることを目的とした。 【成果と考察】正常マウス肝ではplasmacytoid DC(pDC)抗原(PDCA-1)を強発現するCD11c^<low>I-A^-DCが優位を占め、CpG刺激によりIFN-α産生が強く誘導されることから、pDCであることが確認できた。脾ではCD205陽性のCD11c^<high>I-A^+DC(myeloid DC:mDC)が優位を占める。感染急性期(Day7)において、肝及び脾のCD11c^<low>I-A^-B220^+DCが著しく増加し、CD86の強発現が認められたが、PDCA-1抗原の発現は低下しIFN-αの産生も低下した。一方、肝及び脾のCD11c^<high>I-A^+DCは減少した。このようなDCサブセットの表面抗原変化は、血中から原虫が排除される感染後期(Day25以降)から回復してきた。致死株感染マウスでは、非致死株感染と同様にCD11c^<low>I-A^-DCでのPDCA-1抗原の発現低下だけでなく両DCサブセットでのB220とCD86抗原の発現も低下し、両者の間に明らかな差異が認められた。CpG刺激による炎症性サイトカインであるIL-12、IL-10やTNFαの産生能は、感染の有無にかかわらず肝臓及び脾臓のCD11c^<high>I-A^+DCで高く、CD11c^<low>I-A^-DCではいずれも低値を示した。これらの結果から、マラリア原虫感染に伴ない肝DCの性状が変化し、また、原虫株による違いも見られることが明らかとなった。すなわち、肝のmDC分画は感染によりIL-12やTNFα産生を誘導することにより感染防御を担うNKT細胞の活性化に関与し、一方、pDC分画ではIFN-α産生能の低下に伴いウイルス感染防御能等が低下するものと考えられた。
|