兵庫県下に保存された江戸期測量・計測器具に関する基礎研究
Project/Area Number |
16018211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三浦 伸夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (20219588)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 比例尺 / 測量器具 / 和算 / 兵庫県 / 数学史 / 測量術 / 計測器具 |
Research Abstract |
1.大阪では大島喜侍のような算家・測量家でありながら県下の弟子を得た者がおり、伊能忠敬の訪問が淡路の広田直道など各地の和算家に測量術に関する影響を与えたこと、測量術にも長けた中西流が穂積与信を介して姫路に伝わり、その後そこで中西新流、再新流、再新新流等々が興ったことなど、京阪神に和算測量のネットワークがあった。 2.毛利勘兵衛重能は慶長度方広寺大仏殿造営算用奉行でもあったと推測できる資料が存在し、和算・建築・測量は初期より関係があったことが示唆できる。実際、曲尺は最も著名な伝統的計測器具であり、和算家とも繋がりのあった平内廷臣は御大工方である。 3.龍野の醤油や灘の酒における樽計測に用いられた尺棒を調査検討。 4.測量は採掘・掘削など鉱山(生野鉱山、多田鉱山など)に重要で和算家と鉱山測量との関係が示唆できる。 5.明治の地租改正の使用器具は国絵図作成の流れを汲み、器具史から見ると明治と江戸を明確に時代区分出来ず、神戸海軍操練所における陸奥陽之助、望月亀弥太などの測量、三田出身の九鬼隆範の製図・計測もその射程で捉えることも可能。 6.兵庫にかぎらないが、一部の測量器具は明治期に工芸品として海外に流失し、今日英国、アメリカ等の博物館に未調査のまま所蔵されていること。 7.18世紀英蘭と江戸日本は測量や実用数学において比較できる。器具に関しては、引札はtrade card、大工道具である曲尺はcarpenter's rule、樽を計量する尺棒はgauging rod、また渾天儀や須弥山儀はOrreryに対応など。 8.西洋で第一にあげるべき測量計測器具は「比例尺」である。これは18,19世紀に普及し、さらにイエズス会士を通じて中国にも到着し、日本にも中国書そしてのちに蘭書を通じてもたらされ、明治初め頃まで使用されたことを跡付けた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)