Project/Area Number |
16018218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
沓澤 宣賢 東海大学, 総合教育センター, 教授 (20119671)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 日本史 / 古写真 / 江戸の技 / 江戸の知 / コレクション |
Research Abstract |
本研究の目的は、国内外における古写真コレクションを調査研究し、そのデータベース化を図ることである。この目的を達成するため、2004年度は国外ではドイツとオーストリアでの調査を行いドイツシュルヒテルンのブランデンシュタイン家が所有するシーボルト文庫の中の古写真の調査を行った。この中には、フリップ関係のものだけでなく、アレクサンダーやハインリッヒが所蔵していたものが多数含まれており、人物写真が中心である。オーストリアでは、ウイーンの応用美術博物館が所蔵する古写真の調査を行ったが、担当学芸員が不在だったため十分な調査を行うことが出来なかった。国内では、長崎のシーボルト記念館や長崎大学附属図書そして長崎古写真で資料館で調査を行った。長崎大学附属図書館が所蔵する古写真については、すでにデータベース化とデジタル化がなされており、インターネット上で公開されている他、「古写真コレクション目録」が作成されており有用である。 2005年度は国外では、前年に引き続きドイツのブランデンシュタイン家が所蔵する古写真の調査を行った他、ミュンヘン国立民族学博物館でも調査を実施した。ミュンヘン国立民族学博物館には、横浜写真とみられるアルバムが数冊存在する他、19世紀の後半に世界一周を行った人物が撮影したと考えられるアルバムが10数冊有り、ここには現地で入手したと考えられる古写真も多数収録されている。オランダでは、ライデン大学で調査を行なったがここが所蔵する古写真については、すでにH、ムースハルト博士により「日本の想い出 1859-1875 日本の写真 在オランダコレクション」がCDとして作成されており参考になる。国内では、横浜開港資料館やオープンしたばかりの長崎歴史文化博物館で調査を実施した。 2004-2005年の2年間にわたる調査研究の結果、国内のみならず国外にも古写真コレクションが多数存在することが確認出来た。また、これまでの調査を通じてヨーロッパには多くの博物館が古写真を所蔵しているとの情報も入手したが、これらの調査は本格的には行われていない。「江戸のモノづくり」プロジェクトに参加させていただき、古写真から江戸のモノづくりの様子を考えていこうということでスタートした研究であるが、単に江戸のモノづくりということにとどまらない、幕末から明治にかけての日本を知る資料として古写真の持つ史料的価値は極めて高いということを実感した。今日歴史を研究する上で、文書等文字史料の他、絵画や絵図そして写真などの非文字資料もその重要性を増しているように思う。この度の調査研究の成果は、研究報告書としてまとめるが、今後もこうした調査研究を継続することが重要である。古写真のデータベース化が更に進展すれば、非文字資料としての古写真の資料的価値はもっと増大するようになると考える。
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