Project/Area Number |
16021204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
多田 周右 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (00216970)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | Tip60複合体 / Tad54α / Xenopus卵抽出液無細胞実験系 / Tap54α-K76R / DNA複製 / DNA複製ライセンス化反応 / MCM複合体 / クロマチン |
Research Abstract |
Tip60ヒストンアセチル化酵素複合体のゲノム安定性維持機構への寄与について解明するにあたり、DNA代謝との関連について機能的に理解しやすいと考えられた複合体構成タンパク質、Tap54αに照準を絞り、Xenopus卵抽出液無細胞実験系を用いて検討をおこなった。Tap54αの機能を欠損させるために、Walker Aモチーフ中のリジン残基をアルギニン残基に変えた組み換えタンパク質(Tap54α-K76R、以下K76Rと記す)を大腸菌において発現させ精製した。このK76Rを卵抽出液に添加し、再現されるDNA複製などの過程に及ぼす影響について検討をおこなった。その結果、DNA複製活性の顕著な低下が観察された。さらに詳細に解析するために、ウエスタンブロット法を用いてDNA複製に関与する種々のタンパク質のクロマチンへの結合について時間を追って観察した。その結果、K76Rの添加によりDNA複製ライセンス化反応に必須なタンパク質複合体であるMCM複合体のクロマチンへの結合量が顕著に減少していた。この時、DNA複製ライセンス化反応に関与するMCM複合体以外のタンパク質、Orc1、Cdc6、Cdt1のクロマチンへの結合については顕著な影響は見られなかった。すなわち、Tap54αがMCM複合体のクロマチンへの結合において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。次にK76R添加によるDNA複製への影響についてDNA複製ライセンス化反応以後に的を絞って観察した。その結果、DNA複製活性が通常時の50%程度に減少することが分かった。すなわち、Tap54αがDNA複製開始反応あるいは伸長反応などのDNA複製過程においても何らかの役割を果たしている可能性が示唆された。一方、野生型Tap54αを用いて同様の実験をおこなったところ、タンパク質の添加による影響は観察されなかった。
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