発がん抑制に機能するDNA修復タンパクにおける相同組換え制御ドメイン
Project/Area Number |
16021205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
田内 広 茨城大学, 理学部, 教授 (70216597)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥4,100,000 (Direct Cost: ¥4,100,000)
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Keywords | 高発がん性遺伝病 / 遺伝子安定性 / DNA損傷修復 / 相同組換え修復 |
Research Abstract |
高頻度の悪性腫瘍発症や放射線高感受性、S期チェックポイント異常を示す遺伝病、ナイミーヘン症候群(NBS)の原因タンパクNBS1は、RAD50/MRE11と複合体を形成し、その局在や活性を制御してDNA二重鎖切断(dsb)修復において重要な役割を有している。代表者は、NBS1がdsb修復過程のうちでも正確に損傷を修復する機構である相同組換え修復に必須であることを明らかにし、その機能がどのようにして発現されているのかを解明することを目指している。本研究では、NBS1タンパクにおいて相同組換え修復に重要なドメインを明らかにするため、NBS患者由来細胞株に相同組換えを検出するレポーター遺伝子SCneoを導入して解析を進めた。SCneoレポーターは特定の箇所にdsbを導入し、細胞の薬剤耐性からその後の修復が相同組換えであるかどうかが判定できるシステムである。これまでにSCneo導入NBS患者細胞では、Nbs1ノックアウト細胞と同様に相同組換え頻度が顕著に低下する一方で、その組換え頻度の低下は、全長NBS1タンパクを発現させることで相補でき、C末のMRE11結合ドメインが相同組換え活性に必須であることが明らかとなっている。今年度はこれを受けてNBS1のN末のFHA/BRCTドメインおよびATMによってリン酸化されるセリン残基について、いくつかの変異NBS1タンパクの発現下で相同組換え頻度がどのように変化するかを調べた。その結果、N末のFHA/BRCTドメインが相同組換えの制御に必須である一方、ATMによるリン酸化は相同組換えに必須ではないことが明らかとなった。このことからヒト細胞において、NBS1がMRE11/RAD50複合体の細胞内局在や活性を制御することが相同組換え機構の制御に重要であることが示唆された
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)