慢性骨髄性白血病を発症するSPA-1遺伝子破壊マウスを用いた免疫監視機構の研究
Project/Area Number |
16021225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
服部 雅一 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (40211479)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
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Keywords | Rap1 / SPA-1 / 慢性骨髄性白血病 / インターフェロン / 白血病原性 / 免疫監視 / SCIDマウス |
Research Abstract |
リンパ・造血系組織の主たるRap1GAPであるSPA-1の遺伝子破壊(SPA-1/-)マウスは、生後1年〜1年半でほぼ全例において慢性骨髄性白血病をはじめとする多彩な白血病を発症する。本研究では、SPA-1欠失による白血病発症の分子メカニズムを明らかにするために、白血病(B-CLL)を発症したSPA-1-/-マウスの骨髄から細胞株(1629B細胞)を樹立し、解析を行った。1629B細胞は、B220^+C5^+IgM^+でB1細胞由来であると考えられ、この細胞をSCIDマウスに移入するとB-CLLが発症した。1629B細胞には、SPA-1欠失によりGTP結合型Rap1が蓄積していたが、SPA-1遺伝子の再導入により(1629B/SPA-1細胞)これを消失させると、その白血病原性は完全に消失した。1629B細胞と1629B/SPA-1細胞のin vitro増殖能については全く差が見られなかった。また、両細胞をSCIDマウス移入した後の臓器分布ならびに生体内における増殖についても差が見られなかったが、両細胞株のインターフェロン(IFN)誘導細胞死に対する感受性について調べたところ、1629B/SPA-1細胞ではIFN-β処理によりBcl-2の減少が起こり、細胞死が誘導されたのに対し、1629B細胞ではBcl-2はほとんど変化せず、細胞死誘導に強い抵抗性を示した。これらの結果から、1629B細胞は蓄積したGTP結合型Rap1によりIFNにより誘導される細胞死に抵抗性となることで、自然免疫系を介した監視機構から逃れ、白血病原性を維持していることが明らかとなった。このことは、活性化型Rap1の蓄積は白血病の発症のみならず生体における白血病原性維持にも必須であることを強く示唆するものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)