EBウイルスLMP1癌蛋白によるp16^<INK4a>/RB経路阻害機構の解明
Project/Area Number |
16021242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
原 英二 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (80263268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 直子 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (50275195)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
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Keywords | p16^<INK4a> / RB / EBウイルス / LMP1 / CRM1 / 細胞周期 / 発がん / 癌抑制 |
Research Abstract |
p16^<INK4a>/RB経路は癌抑制機構として中心的な役割を担っており、逆にその経路の遮断は細胞癌化の必須条件となっている。EBウイルスのLMP1癌蛋白は、p16^<INK4a>/RB経路の活性化に必須な転写因子をCRM1依存的に核外に移行させ失活させることにより、p16^<INK4a>/RB経路を遮断する。LMP1は核外移行シグナルを有する他の蛋白には作用しないことから、LMP1により誘導される核外移行には何らかの標的特異性が存在すると考えられる。我々は、LMP1によるp16^<INK4a>/RB経路の阻害機構の詳細を明らかにし、その阻害機構を標的とした特異性が高く副作用の少ないEBV関連悪性腫瘍の治療法開発に役立たせることを目的として研究を行い、以下の研究結果を得た。(i)LMP1の機能ドメインであるCTAR1とCTAR2の2つのドメインを介してMEKキナーゼが恒常的に活性化されることがLMP1による標的蛋白(E2F4)の核外移行誘導に必要である。(ii)LMP1の発現によりE2F4のN-末端より68番目と70番目のアミノ酸の近傍にCRM1が結合するようになり、このことがLMP1によるE2F4の核外移行に必須である。(iii)MEKによりリン酸化されない変異型E2F4でもLMP1による核外移行が誘導されることから、CRM1蛋白そのものかもしくはE2F4とCRM1の結合を促進するコファクターがMEKによりリン酸化されることがLMP1によるE2F4の核外移行誘導に必要であることが示唆された。(iv)LMP1の細胞内ドメインと類似性があるCD40を恒常的に活性化してもLMP1によって起こる標的蛋白の核外移行は見られなかった。このことから、LMP1による標的蛋白の核外移行誘導機構を標的とした薬剤はCD40の機能を阻害することにはならないので、免疫系の低下などの副作用を引き起こさない有効な治療法につながると期待出来る。
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Report
(1 results)
Research Products
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