Project/Area Number |
16021248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
工藤 一郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30134612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 誠 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60276607)
中谷 良人 昭和大学, 薬学部, 講師 (80266163)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
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Keywords | ホスホリパーゼA_2 / シクロオキシゲナーゼ / PGE_2 / PGE合成酵素 / アラキドン酸 / 癌 / ノックアウトマウス / 免疫組織化学染色 |
Research Abstract |
最近の研究から、シクロオキシゲナーゼ(COX)経路の産物のひとつであるPGE_2が癌の進展に関与することがわかってきた。本研究では、PGE_2産生系においてCOXの上流に位置するホスホリパーゼA_2(PLA_2)と下流に位置するPGE合成酵素(PGES)分子種の細胞の癌化への関与について解析した。その結果、以下の成果を得た。 1.種々のヒト癌組織切片の免疫組織化学染色により、各種PLA_2、PGESの発現を調べ、PLA_2ではiPLA_2γ,sPLA_2-IID,sPLA_2-III,PGESではmPGES-1とmPGES-2の発現が大腸癌をはじめとするいくつかの癌細胞で発現上昇していること、またsPLA_2-IIIについては癌周縁の新生血管内皮細胞に強く発現していることを見いだした。 2.種々の培養癌細胞にウイルスベクター発現系を用いて各種PLA_2、PGESもしくはこれらのsiRNAを過剰発現させる系を確立した。大腸癌細胞株に各種PLA_2を発現させるとPGE_2産生が亢進し、細胞増殖が亢進した。また、同細胞にsPLA_2-IIIまたはmPGES-1のsiRNAを導入すると、PGE_2産生と細胞増殖が有意に低下した。 3.mPGES-1欠損マウスに癌細胞を移植すると、腫瘍形成とそれに伴う血管新生、および肺血行性転移の有意な低下を認めた。一方、mPGES-1を過剰発現した肺癌細胞をマウスに移植すると、肺血行性転移が顕著に増加した。 mPGES-1を過剰発現した肺癌細胞では、細胞増殖の亢進に加え、ラミニンへの結合性の低下、基底膜浸潤能の上昇、運動性の亢進が観察された。この機能には、mPGES-1の酵素活性が必須であった。
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