発癌における新規転写統合装置複合体によるエピジェネティカルな遺伝子発現制御の研究
Project/Area Number |
16021252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
中島 利博 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 教授 (90260752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 聡士 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 講師 (30367388)
八木下 尚子 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 助手 (40367389)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | エピジェネティクス / DNAメチル化 / 遺伝子発現制御 / RNAヘリケースA / MBD2 / 発癌 / siRNA / ヘテロクロマチン |
Research Abstract |
DNAのメチル化はエピジェネティックな遺伝子発現調節機構の一つであり、細胞のがん化、発生分化などに重要な役割を担っていると考えられている。cAMP responsive element(CRE)は多くの遺伝子のプロモーター上に存在し、DNAのメチル化・脱メチル化を介して遺伝子発現が制御されている。実際、CREはBRCA1などをはじめとする多くの癌抑制遺伝子のプロモーター上に存在し、腫瘍細胞において高度にメチル化され転写が抑制されていることが報告されている。以前申請者は、メチル化されたCREに結合する因子としてMBD2aを同定した。MBD2aが転写抑制複合体と相互作用してメチル化CREからの転写を抑制するだけでなく、RHAと複合体を形成し、転写活性化に機能することを明らかとした。 本研究では申請者が見出したエピジェネティカルな遺伝子発現制御に関わる新規転写統合装置複合体を中心とし、発癌にいたる過程の転写統合装置の破綻、DNAのメチル化・ヘテロクロマチン化の分子メカニズムの解明を行なうことを目的とした。本研究にてRHA/MBD2a複合体の機能解析を行なった結果、メチル化したCREに結合したMBD2aにRHAが結合することを見出した。さらに、MBD2a/RHA複合体のメチル化CREへの結合実験を行なった結果、MBD2aのメチル化CREへの結合がより強められている可能性が示唆された。また、レポーターアッセイを行なった結果、RHAはメチル化されたレポーターからの転写をプロモーターの種類に依存して、活性化、または、抑制化した。以上の結果から、RHAMBD2a複合体は転写活性化複合体として機能するのみならず、メチル化されたCREからの転写抑制の開始段階に関与する可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)