Project/Area Number |
16021260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
井川 洋二 独立行政法人理化学研究所, 井川特別研究室, 特別招聘研究員 (40085618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 伊陽子 独立行政法人理化学研究所, 井川特別研究室, 研究員 (20333297)
倉田 俊一 国立大学法人東京医科歯科大学, 難知疾患研究所, 助教授 (60140901)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
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Keywords | p63 / 癌抑制遺伝子 / p53 / 皮膚 / 接着因子 / インテグリン / 扁平上皮癌 / 発生 |
Research Abstract |
がん抑制遺伝子p53ファミリーの一員であるp51/p63(以下p63と記す)は、皮膚、四肢、口腔、食道、肺、乳腺、などの上皮組織の発生に不可欠で、組織幹細胞の維持や分化制御に重要な役割を果たすと考えられる。また、多くの扁平上皮がんの症例でp63遺伝子の高レベル発現が認められ、腫瘍化と腫瘍形質に関係していると推測される。本研究課題では、p63が上皮組織形成と腫瘍形成において果たす役割について解析した。その結果、p63が転写誘導する標的の1つとして、インテグリンα3鎖をコードする遺伝子ITGA3を同定した。α3鎖はβ1鎖と会合してラミニン受容体α3β1を形成し、上皮の基底細胞で基底膜への接着・足場形成・増殖シグナル伝達に機能し、がんの転移に関係する。マウス胎児の皮膚やヒト角化細胞幹細胞培養でp63とITGA3がどちらも高レベルに検出され、分化誘導および干渉RNAによりp63を低下させるとITGA3が抑制された。イントロンに複数あるp53結合コンセンサス配列のハーフサイトがp63に応答することがわかった。さらに、当初乳がんマーカーとして同定されたMilk fat globule-EGF factor 8(MFG-E8,lactadherin)の遺伝子NFGE8がp63で発現誘導を受けることを明らかにした。MFG-E8は分泌型接着因子で、マウスMFG-E8はマクロファージのアポトーシス細胞貧食作用を活性化することが明らかになっている。MFGE8プロモーター領域内にp63が作用する配列が同定され、乳がん組織や乳がん由来株化細胞でMFG-E8がp63とともに発現していた。p63は、すでに報告されたJAG/2、REDDに加え、ITGA3やMFGE8といった必須または補助的な細胞接着因子の発現誘導を行い、組織発生と腫瘍形成を制御すると考えられる。
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