Project/Area Number |
16022205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 靖史 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (50178779)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,900,000 (Direct Cost: ¥6,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,900,000 (Direct Cost: ¥6,900,000)
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Keywords | 血管内皮増殖因子VEGF / 新規血管新生抑制因子 / 血管内皮細胞 / negative feedback / 腫瘍血管新生 / vasohibin |
Research Abstract |
血管内皮増殖因子VEGFにより血管内皮細胞において発現誘導される遺伝子の網羅的解析から、VEGFにより誘導され、オートクライン的に血管新生を抑制する新規血管新生抑制因子を発見した。本因子は、血管内皮細胞の増殖、遊走を抑制するが、その作用は血管内皮細胞に特異的であり、血管平滑筋細胞や線維芽細胞に対しては効果を示さなかった。本因子のVEGFによる誘導を阻止したところ、高濃度VEGFに対する血管内皮細胞の反応性が回復したことより、本因子は血管内皮に由来する血管新生のnegative feedback調節因子であると考え、"Vasohibin"と命名した。Lewis肺癌細胞株を用いてヒトVasohibin遺伝子の安定発現株を作製したところ、がん細胞の増殖には影響しなかったが、マウス皮下に移植したとき、Vasohibin発現量に応じて腫瘍の発育は抑制された。これらのVasohibin導入細胞による腫瘍塊の免疫組織化学分析によって血管新生が抑制されていることが証明された。血管内皮細胞におけるvasohibinの遺伝子発現調節を検討したところ、VEGFによる発現誘導は、VEGF2型受容体の中和抗体、およびその下流のPKCに対する阻害剤GF109203Xで顕著に抑制され、各種PKCイソフォームの阻害剤を用いて検討したところ、PKC-deltaの特異的阻害剤であるRottlerinによって完全に阻害されたことから、VEGF2型受容体とその下流のPKC-deltaに依存していることが判明した。種々のサイトカインの発現に及ぼす影響を検討したところ、TNF-alpha、IL-1、IFN-gammaがVEGFによるvasohibinの誘導を顕著に抑制した。 Vasohibinが血管新生制御に基づき、抗腫瘍効果を示すことから、今後の治療への応用が期待される。さらにVasohibinは血管新生のバイオマーカーとしても今後臨床に応用できるものと考えている。
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