Project/Area Number |
16022257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
尾池 雄一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90312321)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | リンパ管 / 血管 / LYVE-1 / アンジオポエチン / Tie2 / アンジオポエチン様因子 |
Research Abstract |
腫瘍の増殖、浸潤及び血行性及びリンパ管性転移に対してその制御が有効な治療戦略となることは容易に想像できる。そのため多くの研究者により血管新生の分子機構解明はこの十年躍進的に進み、実際にVEGFに対する中和抗体を用いる治療は臨床の場に登場している。一方、リンパ管形成の分子機構解明が血管に比較し明らかに遅れをとったのは、血管研究に比較しその研究手段の不足が一番の原因と考えられている。本研究ではリンパ管内皮細胞に特異的に発現しているLYVE-1に着目し、マウスLYVE-1に対するモノクローナル抗体の樹立に成功し、マウス個体よりリンパ管内皮細胞を特異的に同定し、単離・純化できることを可能にした。さらに血管新生、血管の安定化に重要なTie2受容体がリンパ管内皮細胞にも発現していること、さらにアンジオポエチンシグナルがリンパ管内皮細胞に対してもリンパ管内皮細胞の生存、遊走を制御していることを明らかにした。さらにすでに我々がマウス及びヒトでクローニングし報告したオーファンリガンドであるアンジオポエチン様分子のうちAngptl1とAngptl2のゼブラフィッシュホモログをクローニングし、その発現及び血管内皮細胞において抗アポトーシス作用を有することを明らかにした。 (考察)本研究によりLYVE-1に対するモノクローナル抗体の樹立に成功し、リンパ管の同定、純化、単離が可能になったことは、これまでのリンパ管研究の多くのtoolを海外に頼ってきた国内のリンパ管研究者には朗報であると考える。さらにtoolという観点から述べると、次のstepとしてこの純化、単離したリンパ管内皮細胞をin vitroで形質を変えないまま如何に増幅させて血管内皮細胞同様研究のtoolに利用できるかが鍵であると考える。アンジオポエチンシグナルがリンパ管内皮細胞の生存、遊走において重要な役割を果たしていることを明らかにできたのは今後の血管新生、リンパ管新生の分子機構を明らかにしその制御により血行性及びリンパ管性転移に対して有効な戦略を見出すことを目的とする本研究においては意義のあることだと考える。
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