血管新生阻害因子アドレノメジュリンアンタゴニストによる膵癌の分子標的遺伝子治療
Project/Area Number |
16023203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 正伸 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (80241321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
陳 健 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
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Keywords | アドレノメジュリン / 膵癌 / 低酸素 / 血管新生 / 腫瘍増殖 |
Research Abstract |
アドレノメジュリンアンタゴニストペプタイドの腫瘍内投与によってSCIDマウスに移植された膵癌が退縮すること,大型血管(径>8μm)が消失すると言う事実に基づいて,本研究では,アドレノメジュリンアンタゴニスト発現ベクターをNaked DNAとして作成し,その腫瘍内投与,筋肉内投与の効果を検討した。また,アドレノメジュリンmRNA発現を低酸素・低栄養条件下で観察した。その結果,アドレノメジュリンmRNA発現は低酸素下で4-5倍に増加し,低酸素+低栄養条件下では10-10数倍に増加した。SCIDマウス背部皮下に移植した膵癌細胞が5mm程度に増殖した9日目に腫瘍内に発現ベクターを1回投与し,その後腫瘍増殖を観察した。21日目には発現ベクターを投与した群では腫瘍がほぼ消失した。残存している腫瘍組織内の血管内皮細胞を抗CD31抗体にて染色後観察すると完全に腫瘍内の血管内皮細胞は消失していた。さらにSCIDマウス背部皮下に移植した膵癌細胞が5mm程度に増殖した9日目に大腿部筋肉内に発現ベクターを注射して,その後腫瘍増殖を観察した。腫瘍内注射と同様に21日目には発現ベクターを投与した群では腫瘍がほぼ消失した。同様に残存している腫瘍組織内の血管内皮細胞を抗CD31抗体にて染色後観察すると完全に腫瘍内の血管内皮細胞は消失していた。膵癌以外の乳癌細胞株を同様に背部皮下に移植し,大腿部筋肉内に発現ベクターを注射するという検討も行った。膵癌と同様に大腿部筋肉内への1回の注射にて腫瘍増殖は抑えられ,血管内皮細胞も消失していた。以上の結果は,アドレノメジュリンアンタゴニスト発現ベクター(Naked DNA)の筋肉内投与という遺伝子治療法が膵癌を始めとした癌の治療法に使用できる可能性を示唆する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)