抗腫瘍活性を高めるエフェクター細胞および樹状細胞の選択的増幅法の開発
Project/Area Number |
16023217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長棟 輝行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20124373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新海 政重 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70262889)
河原 正浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50345097)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | 樹状細胞 / 抗体 / 受容体 / 遺伝子治療 / がん / 選択的増幅 / 細胞障害性T細胞 |
Research Abstract |
本研究では、がん遺伝子治療における治療効果を向上させるために、抗体/サイトカイン受容体キメラを用いた遺伝子導入細胞の選択的増幅法を開発し、T細胞、樹状前駆細胞でその効果を検証することを目的としている。昨年度までに、エリスロポエチン受容体(EpoR)のEpo結合ドメインを抗リゾチーム抗体のV_H, V_Lまたは抗フルオレセイン(Fl)抗体のScFvで置換し、その細胞内ドメインをIL-6受容体β鎖であるgp130で置換したキメラ受容体(ScFv-gp130)が、Fl標識BSA(BSA-Fl)、もしくはFl dimerに応答して増殖シグナルを伝達することが示された。そこで、我々の手法がよりがん治療に直結する細胞においても適用可能かどうかを検討した。TIL、CTLの増殖はIL-2によって促進されることが報告されている。IL-2はIL-2Rに結合してβ鎖とγ鎖のヘテロダイマーを誘導して増殖シグナルを伝達することが知られている。そこでFl応答性キメラ受容体であるScFv-gp130の細胞内ドメインをIL-2Rβ鎖もしくはγ鎖に置換したキメラ受容体およびEGFPをIRESを介して1つにまとめたベクター(ScFv-IL-2Rβ-IRES-ScFv-IL-2Rγ-IRES-EGFP、およびβ鎖とγ鎖の順序が逆になったもの)を作製した。また、リゾチーム応答性キメラ受容体も同様に作製した(V_H-IL-2Rβ-IRES-V_L-IL-2Rγ-IRES-EGFP、およびβ鎖とγ鎖が逆になったもの)。これらのベクターをまずはIL-2Rのシグナルが伝達されることが分かっているBa/F3細胞に導入し、BSA-Flもしくはリゾチーム添加培地中で選択培養を行った結果、EGFP陽性細胞率はほぼ100%となったことから、キメラ受容体が機能的であることが示唆された。また、ScFv-IL-2R発現細胞は12merもしくは13merのDNAリンカー長を有するFl dimerに対しても顕著な増殖応答性を示した。続いて、これらのベクターを細胞障害性T細胞株CTLL-2に導入した結果、リゾチーム応答性キメラ受容体においてEGFP陽性細胞の選択的増幅が達成された。現在、CTLL-2におけるFl応答性キメラ受容体について、選択的増幅の実現可能性を検証している段階である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)