Project/Area Number |
16023232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋田 充 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20135594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 元也 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40273437)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
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Keywords | ドラッグデリバリーシステム / カタラーゼ / 活性酸素消去酵素 / がん転移 / 腹膜破種 / マトリックスメタロプロテアーゼ |
Research Abstract |
低レベルの活性酸素が癌細胞の転移能を亢進させることが明らかとされ、癌転移抑制法としてカタラーゼ等の活性酸素消去酵素の利用が試みられているがその効果は十分ではない。投与された酵素が転移抑制効果を発揮するためには、活性酸素発生部位に到達することが必須である。我々はこれまでに種々の化学修飾を利用することでカタラーゼの体内動態を厳密に制御可能であること、またカタラーゼの転移標的部位へのターゲティングにより肝臓および肺への癌転移を有意に抑制可能であることを明らかにした。本研究では、腹腔内での滞留能を増大させるためカチオン性を付与したエチレンジアミン修飾カタラーゼを新たに開発した。また、腹膜破種モデルへの癌転移抑制効果に関して、ホタルルシフェラーゼ遺伝子導入癌細胞を用いることで転移癌細胞数の定量的な評価をおこなった。 その結果、カチオン性カタラーゼの腹腔内投与により、腹膜破種性がん転移が有意に抑制可能であることが示された。また、カチオン性カタラーゼのがん転移抑制機構を明らかにするため、接着分子であるICAM-1の発現を評価したところ、有意な抑制が認められた。さらに、細胞外マトリックスの分解、血管新生ならびに細胞増殖に対するカタラーゼ誘導体投与の影響を明らかにするために、これらの過程に関わる因子の発現変動について細胞外マトリックスを分解するマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性ならびに血管内皮増殖因子(VEGF)発現の変動に着目し検討をおこなった。その結果、カタラーゼの転移標的部位へデリバリーすることでMMP活性ならびにVEGF発現の有意な抑制が認められた。以上の検討を通じて、活性酸素消去酵素、カタラーゼの体内動態制御法を開発するとともにその癌転移抑制機構を明らかとした。
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