突然変異マウスを用いた腫瘍、およびその治療に対するマスト細胞の効果の解析
Project/Area Number |
16023243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森井 英一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10283772)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | マスト細胞 / 腫瘍 / ワクチン / 突然変異マウス |
Research Abstract |
マスト細胞は細胞内に多くの生理活性物質を有する細胞で、外的刺激により活性化されるとただちにこれらの生理活性物質を放出して速やかに生体反応を引き起こす。これまで、アレルギー疾患におけるマスト細胞の関与は明らかであったが、腫瘍におけるマスト細胞の関与については十分に解析されていない。本研究では、マスト細胞を欠損するマウスであるW/Wvマウスを用いてin vivoで腫瘍に対するマスト細胞の効果を検討することを目的とした。下腹部にメラノーマ細胞株B16-F10細胞を移植してその増大をW/Wvマウスと正常の野生型マウスとの間で比較したところ、両者に有意の差は認められなかった。以上の結果より、マスト細胞は腫瘍の増大そのものには少なくともマウスの系では関与しないことが示唆された。次に、腫瘍に対する免疫療法におけるマスト細胞の影響を同様にマスト細胞欠損マウスを用いて調べた。B16-F10細胞に放射線照射し、抗原性のみ残し腫瘍形成能力をなくし、これをマウス左下腹部に接種した。この接種を2週の間隔をあけて2回行い、その1週間後、対側の下腹部にviableなB16-F10細胞を移植した。その後の腫瘍増大を計測したところ、マスト細胞をもつ野生型マウスに比較して、マスト細胞を欠損するW/Wvマウスの方が有意な腫瘍増大を示した。このことは、腫瘍に対するワクチン効果に、マスト細胞が関与することを示唆する。これを更に確かめるために、骨髄細胞由来培養マスト細胞をW/Wvマウスの左下腹部に投与し、10週間後に前回と同様のワクチン接種を行った。その結果、培養マスト細胞をワクチン接種場所に投与しておいた群では、生理食塩水を投与した群と比較して有意にワクチンの効果が得られた。このことは、皮膚におけるマスト細胞がワクチンの効果に影響を与えることを示す。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)