Project/Area Number |
16023251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新留 琢郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20264210)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 遺伝子治療 / 遺伝子デリバリー / ポリリジン / デンドリマー / 金ナノ粒子 / 体内動態 / ポリエチレングリコール |
Research Abstract |
本研究ではデンドリティックポリリジンを遺伝子キャリアーの基礎分子として採用し、in vivo遺伝子デリバリーシステムを構築することを目的としている。この分子はプラスミドDNAと表面電荷が中性の複合体を形成し、その複合体をマウス尾静脈より投与すると、投与量の数パーセントのDNAが3時間程度血中を安定に滞留する。また、担がんマウスの腫瘍部にもDNAの存在が認められた。さらに血中滞留性を向上させるために、分子表面に128個あるアミノ基の5%をPEG鎖で修飾した。その結果、DNAとの複合体は200nm程度で、そのサイズは長時間安定だった。PEG鎖が複合体間の凝集をふせいだものと考えられる。また、培養細胞に対してのトランスフェクションは低下した。これも、PEG鎖の修飾効果で、細胞への非特異的な吸着が抑制されたものと考えられる。細胞への認識能を高めるためにこのPEG鎖の先端に腫瘍組織を選択的に認識する環状RGDペプチドを修飾させることを試みた。修飾は3ステップの化学合成で完了し、収率よく合成できた。一方、デンドリティックポリリジンと同等の大きさをもつ金ナノ粒子でも同様の検討も行った。金ナノ粒子はその簡便な調製法や光応答性といったユニーク特性を持っており、新たな遺伝子キャリアー物質として期待できる。本研究ではアミノ基とPEG鎖を表面に修飾した金ナノ粒子の作製に成功した。そして、このDNAとの複合体をマウス尾静脈より投与した結果、数十分にわたるDNAの血中滞留が認められた。一方、金の臓器分布を調べた結果、血中に数時間にわたり認められ、PEG化することによって血中でのステルス性を獲得したことがわかった。また、尾静脈投与後、肝臓に電気パルスを与えると、血中を循環していたDNAがその部分で細胞内に移行し、効率よく遺伝子発現することがわかった。
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