Project/Area Number |
16023265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷川原 祐介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30179832)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 薬物体内動態 / 遺伝子多型 / 抗がん剤 / CYP3A5 / ドセタキセル / ゲムシタビン / PK / PD解析 / 腫瘍縮小効果 |
Research Abstract |
本研究課題では、(1)CYP3A5酵素発現の低下をもたらすCYP3A5*3および*6変異に着目し、その遺伝子多型がドセタキセル(TXT)の代謝および体内動態に及ぼす影響を検討した。さらに、(2)ゲムシタビンの腫瘍縮小効果と血小板減少に関するPopulation PK/PD解析を実施した。 (1)CYP3A5遺伝子多型:TXTの体内動態・副作用とCYP3A5遺伝多型との関係については、倫理委員会で承認された研究計画書および患者説明文書に基づいて、文書による同意の得られた非小細胞肺癌症例35例(年齢32〜81歳)を対象とした。CYP3A5遺伝子型に加えて、血漿中TXT濃度、血清中α1酸性糖蛋白質(AAG)等を測定した。重回帰分析の結果、TXTの代謝クリアランスに対する影響因子としてAAGのみが有意であり、CYP3A5遺伝多型は有意な影響を及ぼさなかった。また、好中球減少率とCYP3A5遺伝多型との間にも関連性は認められなかった。 (2)ゲムシタビンのPopulation PK/PD解析:対象は、ゲムシタビンの第1相あるいは第2相試験に参加した非小細胞肺癌患者62名から得られた臨床データである。ゲムシタビンは単剤投与で、週1回3週連続投与後1週間休薬を1コースとした。ゲムシタビンの腫瘍縮小効果と血小板減少に関するPopulation PK/PD解析を実施した結果、全投与期間にわたる累積AUCが腫瘍縮小効果を予測する因子として得られた。一方、用量規制毒性に関しては線形混合効果モデルを当てはめ、血小板減少の経日的変化に対するコース内累積AUCの影響を記述するモデルを得た。得られた知見により、治療効果を高めるためには投与の継続がもっとも重要であることが示された。ゲムシタビン単剤投与時における今回の解析結果は、併用療法における腫瘍縮小効果や骨髄抑制の発現パターンを予測する上でも有用な基礎データとなる。
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