胃癌・大腸癌の微小転移に対する遺伝子診断法および治療法の開発
Project/Area Number |
16023273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
中西 速夫 愛知県がんセンター研究所, 腫瘍病理学部, 室長 (20207830)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 定量的リアルタイムRT-PCR法 / 胃癌 / 腹膜再発 / 微小転移 / 遺伝子診断 / 化学療法感受性 / ドラッグデリバリー / gefitinib |
Research Abstract |
微小転移に対する診断、治療法の開発は再発を予防し、がん患者の生存率を大幅に改善するために必須である。本研究の目標は我々が胃癌の腹膜転移に対する高感度検出法として世界に先駆けて確立してきた腹腔洗浄液の定量的CEA RT-PCR法(PCR法)の予後的意義を前向き研究により確認し、高度先進医療として実用化を計るとともに、微小転移を標的とする治療法を開発し、腹膜再発を予防できる新たな治療戦略を構築、これを臨床試験により検証することである。 これまでに高度先進医療として250例以上の前向き研究を行ない、2年以上のfollow upのできた103例のうち、腹膜転移陰性症例86例について解析した。その結果PCR法陽性例が陰性例に比べ有意に予後不良であり、独立した予後因子であること、陽性症例の約60%が術後2年以内に腹膜再発することを明らかにした。またGFP遺伝子を導入した胃癌微小転移モデルを用いて、腹膜微小転移が進行した転移に比べ化学療法感受性が高いこと、特にタキサン系抗癌剤の腹腔内化学療法が効果的で、ある種の胃癌では80%のマウスが治癒すること、その機構として薬剤濃度が微小転移巣では肉眼転移巣に比べ数倍高いことなどを明らかにした。現在、腹腔内化学療法に必要なCEAmRNAの迅速定量法を確立しつつある。またPCR法陽性症例に対しTS-1による治療を実施し、腹膜再発予防効果を検証する臨床第2相試験を進めている。 一方、我々は従来の化学療法では効果に限界があり、副作用を回避できないことも指摘してきた。この課題を改善するためにドラッグデリバリーシステム(DDS)と分子標的治療を取り入れた新しい治療法の開発を試み、糖鎖被覆リボゾームを用いて腹腔内微小転移巣(乳斑)に選択的に抗がん剤を送達できるDDSの基盤を構築した。また独自に樹立した肝転移巣由来HER2高発現胃癌がEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(gefitinib)に高感受性であることを見出し、胃癌の肝微小転移に対する分子標的治療の可能性を示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)