Helicobacter pylori感染と胃癌粘膜病変の検討 -特に胃癌との関わり
Project/Area Number |
16024201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浅香 正博 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10113507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 敏郎 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (00196768)
加藤 元嗣 北海道大学, 病院・助教授 (60271673)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
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Keywords | H.pylori / 胃癌 / 未分化癌 / 分化型胃癌 |
Research Abstract |
Helicobacter pylori(H.pylori)感染と胃癌発生についての大規模臨床試験を行った。北は北海道から南は沖縄まで21施設の参加があった。病理学的に診断された2503例の胃癌と性、年齢をマッチさせた6578例のコントロールについて検討を行った。H.pyloriの診断はELISAによる抗体測定により行った。H.pyloriの陽性率はコントロールでは、若年者に低く、年齢が上昇するほど陽性率は増加していったが、癌患者ではどの年齢層においても80%以上の高値を示した。早期胃癌のH.pylori陽性率は進行胃癌の陽性率より明らかに高かった。組織型では、分化型、未分化型でH.pyloriの陽性率の差は認められなかった。以上の結果より、H.pylori感染は胃癌ことに早期胃癌ときわめて密接に関連していることが明らかになった。これまでの報告でこれほど多数例の胃癌とH.pylori感染との関わりを検討したものはない。コントロールのH.pylori陽性率は、若年者で低く年齢が上昇するほど増加していった。これに対し、胃癌患者ではどの年齢層においてもきわめて高い陽性率を示した。若年者の胃癌は未分化癌が多かったが、高齢者に多い分化型胃癌のH.pylori陽性率とほぼ同様であった。このことより、H.pyloriは分化型胃癌のみならず、未分化胃癌とも密接な関わりを有していることが強く示唆された。早期胃癌のH.pylori陽性率は進行胃癌の陽性率より明らかに高値であった。これは、胃癌が進行すると癌の占拠率が増えるのに加え、腸上皮化生の広がりも増加するので、胃粘膜がH.pyloriのcolonizationに不適な環境になっていくためと考えられる。 以上の結果より、H.pylori感染は胃癌ことに早期胃癌ときわめて密接に関連していることが明らかになった
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)