大規模コホートによる食道がんの環境・宿主要因に関する疫学研究
Project/Area Number |
16024219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
坂田 清美 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50225794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 達也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20150310)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Keywords | 食道がん / 喫煙 / 飲酒 / JACC Study / コホート研究 / βカロテン / ビタミンA / コホート内症例対照研究 |
Research Abstract |
食道がんの危険因子である喫煙、飲酒の相互作用について大規模コホートを用いて定量的に明らかにした。また、保存血清を用いてHelicobacter Pylori菌感染の影響、萎縮性胃炎の影響、血清カロチノイド、ビタミンAの影響を定量的に評価した。その結果、喫煙と飲酒の交互作用をみると、単純に非喫煙、以前喫煙、現喫煙、非飲酒、以前飲酒、現飲酒の組み合わせでみても、リスクの有意な上昇は認められなかった。1日当たりの喫煙、飲酒量でみると、非喫煙かつ1日1合未満の飲酒群を基準にすると、1日20本以内喫煙し1合以上3合未満飲酒するものでは3.88倍(1.19-12.69)、1日21本以上喫煙し3合以上飲酒するものでは6.30倍(1.33-29.76)と有意なリスクの上昇がみられた。累積喫煙、飲酒量による区分では、非喫煙かつ非飲酒または30合年未満の群を基準にすると、40箱年未満の喫煙で40合年以上の飲酒で5.78倍(1.71-19.55)、40箱年以上の喫煙で40合年以上の飲酒では7.01倍(2.01-24.45)と有意なリスクの上昇がみられた。以上より、喫煙と飲酒は単独で曝露しても食道がんのリスクは上昇せず、同時に曝露した時に相乗的なリスクの上昇がみられることが明らかになった。コホート内症例対照研究の結果では、萎縮性胃炎の進行による食道がん死亡リスクの低下は認められなかった。β-クリプトキサンチン、リコピンと、α-カロチンと食道がん死亡の関連は認められなかった。β-カロチンについては、1μg/dL上昇当たり0.882倍(0.808-0.962)、ビタミンAについては、1μg/dL上昇当たり0.976倍(0.955つ.997)のリスクの低下が認められた。β-カロチンとビタミンAの両方をモデルに投入して評価した結果、β-カロチンは1μ9/dL上昇当たり12.1%、ビタミンAは1μg/dL上昇当たり2.1%と両者はそれぞれ独立に食道がん死亡のリスクの低下に寄与していた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)