転写因子Ikarosによる胸線T細胞の細胞周期と細胞死の制御
Project/Area Number |
16026217
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
生田 宏一 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90193177)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真木 一茂 京都大学, ウイルス研究所, 講師 (10311424)
上田 正道 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (50115797)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | サイトカインレセプター / インターロイキン7 / T細胞 / T細胞抗原受容体 / 転写 / グルココルチコイド |
Research Abstract |
インターロイキン7レセプター(IL-7R)は、初期リンパ球の増殖・生存を促すのみならず、抗原受容体遺伝子の組換えの誘導など、さまざまな分化シグナルを伝達している。胸腺T細胞は、DN段階を過ぎるとプレTCRからのシグナルによりIL-7Rの発現を特異的に失い、次のDP段階でTCRからのシグナルにより正(細胞周期)と負(細胞死)の選択を受ける。これは、細胞の生死がTCRの特異性で決定される時期において、余計な増殖・生存シグナルを入れるIL-7Rを積極的に遮断しているものと考えられる。そこで、IL-7Rの発現制御機構を解析した。 まず、IL-7Rα鎖遺伝子のプロモーター領域を解析した。マウスとヒトの配列を比較すると、転写開始点の上流200bpが高度に保存されており、Ikaros、PU.1、Runxの結合モチーフが存在した。さらに、プロモーターの上流約3.6kbに高度に保存された270bpの領域が存在し、グルココルチコイド受容体(GR)の結合モチーフがあった。 次に、レポーター法により、プロモーター領域を未熟T細胞株KKFに導入すると、特異的な転写が検出された。PU.1モチーフとRunxモチーフを破壊すると、活性が顕著に減少した。さらに、上流領域を加えると、グルココルチコイドによる転写の増幅が見られ、GRモチーフを破壊したものでは消失した。また、KKF細胞をグルココルチコイドで処理をすると、GRが上流領域に結合することが確認された。 以上の結果から、IL-7Rα鎖遺伝子のプロモーター活性において、PU.1とRunxのモチーフが重要な働きをしていることが明らかとなった。さらに、GRが、上流に存在するグルココルチコイド応答性領域に結合し、プロモーターからの転写を増幅することが示された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)