増殖分化制御におけるプロテアソーム蛋白質分解系とMAPキナーゼ経路との機能連関
Project/Area Number |
16026230
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
北村 憲司 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 助手 (40214811)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 蛋白質分解 / ユビキチン / プロテアソーム / 細胞周期 / 細胞分化 / MAPキナーゼ / ユビキチン・プロテアソーム / 発生・分化 / 減数分裂 / サイクリン依存性キナーゼ / 分子生物学 |
Research Abstract |
Anaphase-promoting complex/cyclosome(APC/C)は細胞周期進行を制御するユビキチンリガーゼで,その活性化にはFizzyファミリー蛋白質が必要である。モデル生物である分裂酵母の細胞分化におけるFizzy蛋白質群の役割を調べた。生育に必須のSlp1(Cdc20ホモログ)の温度感受性株は,生育に支障が無い許容温度でも減数第一分裂中期が極度に遅延し,第二分裂を行うことなく最終的に二倍体の胞子に分化した。細胞分化特異的なCdh1ホモログのFzr1を欠くslp1温度感受性細胞では,遅延が更に長くなり胞子形成も起こらず,減数分裂では複数のFizzy蛋白質が協調して機能する必要がある事がわかった。 Rec12が機能しないと染色体組換え開始に必須のDNA二重鎖切断が起こらず,第一分裂の中期から後期への移行が遅れるが,この遅延はMad2をノックアウトした細胞では観察されず,スピンドルチェックポイントの活性化に依存した。M期サイクリン-GFP融合蛋白質の蛍光強度から,減数分裂進行にともなう細胞内でのサイクリン量をリアルタイムで測定したところ,Rec12欠損細胞ではスピンドル上からのCdc13の消失は正常細胞に比べ有意に遅れるものの,意外にも核内の分解のタイミングは野生株とほぼ同じで,更にFzr1をノックアウトして初めて核内からの消失が遅延した。以上から核質とスピンドルではサイクリンの分解制御が異なり,前者はFzr1の貢献が大きい事,Fzr1はスピンドルチェックポイント活性化の阻害を受けない事がわかった。また,体細胞分裂時のCdh1ホモログであるSte9欠損細胞ではMAPキナーゼ活性化により減数第一分裂で染色体分離が破綻する事がわかった。高等生物でもFizzyの機能欠損によるAPC/Cの制御異常が配偶子形成異常につながる可能性があり,今後の検討課題である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)