Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
細胞周期において、染色体の複製が正確に、そして一回のみ行われることにより遺伝情報が維持される。我々は、分裂酵母においてライセンス化因子Cdc18とCdt1の高発現が、過剰複製を起こすことを発見した。さらに、ヒト細胞においても、Cdt1を高発現すると、4C以上のDNAを有す細胞が誘導されることを示した。そこで、Cdt1タンパク質の分解制御が、ゲノムの維持において重要な働きをしていると考え、その分解機構の解明を行い、次のような結果を得た。1)、細胞周期のS期に入ると、Cdt1はユビキチン-プロテアソーム系により分解される。Cdt1のN末100アミノ酸を持つ領域を9myc融合タンパク質として発現すると、本来なら安定な9mycタンパク質が、S期で分解されるようになり、この領域をせばめていくことにより、N末に分解に関わるドメインが2カ所存在することを明らかにした。ドメイン1は、最初の10アミノ酸を含む領域で、ドメイン2は、約20-100アミノ酸を含む領域である。2)、各ドメインを認識してユビキチン化に関与する酵素E3を明らかにするため、各種E3に対するsiRNAを導入することにより、ドメイン1にはDDB1-Cul4が、ドメイン2には、SCF-Skp2が関与することを明らかにした。また、DDB1-Cul4系は、S期のみ機能するが、SCF-Skp2は、S期のみならずG2期においても機能することを見いだした。3)、Cdt1は、UV照射などのDNA損傷を受けたときも速やかに分解される。この分解には、ドメイン1を認識するDDB1-Cul4系によることを明らかにした。4)、DNA複製時やDNA損傷後のDDB1-Cul4系による分解には、Cdt1のN末に結合するPCNAが関わることを明らかにした。
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