Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
ホスホリパーゼC(PLC)の活性化は、細胞内Ca^<2+>貯蔵ストアーからのCa^<2+>放出とそれに続く形質膜越えのCa^<2+>流入を引き起こす。我々は以前、PLCγ2と受容体活性化Ca^<2+>チャネル(TRPC3)が物理的に結合すること、TRPC3を介したCa^<2+>流入が持続的なPLCγ2活性化および持続的Ca^<2+>濃度上昇(オシレーション)を引き起こすことを見出した(EMBO J.,2003)。本研究では、TRPC3に対して選択的阻害作用を示す薬物のスクリーニングを行った。ピラゾール誘導体の化合物Aは、TRPC3活性をほぼ完全に抑制した。免疫B細胞株に化合物Aを処置すると、受容体刺激によるCa^<2+>オシレーションおよびNFAT活性化が著しく抑制された。さらにTRPC3欠損B細胞では、化合物A処置と同様にCa^<2+>オシレーションの振幅の減少が確認された。以上の結果は、免疫B細胞においてPLC-TRPC3機能的共役がCa^<2+>シグナリングの中枢的役割を果たすことを強く示唆した。一方、興奮性心筋細胞におけるCa^<2+>シグナリングについても検討を行った。心筋には心筋特異的PLC(PLCε)が発現しており、その活性はG_<12/13>タンパク質により制御されている。活性化型Gα13(CA-Gα13)を心筋細胞に発現させると、細胞の肥大が観察されたのに対し、心筋線維芽細胞にCA-Gα13を発現させたところ、アポトーシス様の形態変化が観察された。また、アンジオテンシン刺激によるGα13の活性化がRho・Racを介して活性酸素の生成、JNK活性化、心肥大を引き起こすこと(J.Biol.Chem.,2005)、一方、心筋線維芽細胞におけるGα13の活性化が、活性酸素生成と形質膜越えのCa^<2+>流入を惹起しNFATを活性化することを明らかにした(J.Biol.Chem.,2005)。興味深いことに、Gα13活性化によるCa^<2+>流入にPLC感受性はなかった。最終的に、Gα13を介するNFAT活性化経路が、酸化ストレスにより惹起される細胞死に対し保護に働くことを明らかにした。
All 2005 2004
All Journal Article (9 results) Book (1 results)
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