Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
胎生13-14日マウス大脳皮質原基をモデルシステムとして,細胞周期進行と細胞運命決定と細胞運動のリンクに関する以下のような知見を得た.大脳皮質原基(大脳壁と称され,0.2-0.3mmの厚さを有する)の神経前駆細胞は,原基の内面(脳室面)から外面(脳膜面)までつながって細長い形をしている.脳室面ではお互いにアドヘレンスジャンクションによって連結されており,ちょうどえのき茸あるいはカイワレ大根のような状態で「壁」の支柱としての形態をとっている.前駆細胞の核はDNA合成中には脳室面から離れた場所にある.80%程度の前駆細胞は細胞周期のG2期に核を脳室面に送り,そこでM期を迎える.一方,残りの20%程度の前駆細胞は,DNA合成をする位置よりもさらに深部(脳膜側)においてM期を迎え,分裂する.この,「深部での分裂」は,ほとんどがニューロン2つを作る分裂であり,「脳室面での分裂」がニューロンと前駆細胞を1つずつ,あるいは前駆細胞を2つ作るような分裂であるのとは対照的である.この「ニューロン作り専門的な深部での分裂」にあたって,前駆細胞は,脳室面に保有していたアドヘレンスジャンクションを消失し,あたかも根を抜くようにして「深部」へと移動する.本研究は,bHLH型転写因子であるNeurogepin2タンパクが,一部の前駆細胞において細胞周期のG1期をピークとする発現を示すことと,こうした「深部に向かう」形態変化に対して重要な働きをしていることを突き止めた(Development 131,3133-3145,2004;J Neurosci Res 78,784-795,2004).
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