βカテニンとLIT-1キナーゼによる非対称分裂機構の研究
Project/Area Number |
16027259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
澤 斉 独立行政法人理化学研究所, 細胞運命研究チーム, チームリーダー (80222024)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | C.elegans / Wnt / 細胞極性 / βカテニン / LIT-1 / WRM-1 / 非対称分裂 / 核局在 / C. elegans |
Research Abstract |
Wntシグナル伝達は、生物の発生、細胞のがん化において重要な働きをしている。C.elegansではWntシグナルが非対称分裂に必要な細胞極性を制御している。この経路にはWRM-1/βカテニンが関与することからcanonicalな経路によって制御されていると考えられる。またこの経路にはMAPキナーゼファミリーのLIT-1/NLKも関与している。WRM-1とLIT-1の細胞内局在をGFP融合遺伝子を用いて調べたところ、様々な細胞の非対称分裂前に、前側の細胞膜近傍に非対称に局在していることが分かった。また分裂後は反対に後ろ側の核に集積していた。このような局在を説明する一つのモデルは、分裂の終期において前側の細胞質にあるこれらの分子は膜に移行し、後ろ側の分子は後ろの核に集まることである。そこでFluorescent Recovery after photobleaching (FRAP)実験によって、前側の分子の挙動を調べた。その結果前側の細胞質にある分子も後ろ側の核に集まることがわかった。またFRAP実験によって分裂終期におけるLIT-1の核外移行の速度を調べた結果、後ろ側の核よりも前側の核の方が核外移行の速度が速いことがわかった。次に膜に局在するWRM-1の機能を明らかにするため膜局在シグナル(CAAX)をつけたWRM-1を発現させた。すると非対称分裂およびWRM-1の核局在が阻害された。以上の結果、前側の膜に局在したWRM-1がWRM-1自身の核局在を、おそらく核外輸送を促進することによって、阻害していることが明らかになった。膜に局在したβカテニンは細胞接着に機能することが知られている。われわれの研究によって、膜局在したβカテニンがWntシグナルを直接制御できることが初めて明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)