合体するコンパクト連星からの重力波に対する数値一般相対論的研究
Project/Area Number |
16029202
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 大 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80252576)
|
Project Period (FY) |
2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
|
Keywords | ブラックホール / 中性子星 / 重力波 |
Research Abstract |
現在アメリカなどで、レーザー干渉計を用いた重力波検出器が稼働している。連星中性子星は、その重力波源として最も有望とされる天体現象の1つである。この現象の運動状態を決定し、さらに重力波の波形を正確に計算しテンプレートを作成することが、重力波検出には必要不可欠である。 本研究は、アインシュタイン方程式と相対論的流体力学方程式を同時に解いて、合体現象を明らかにすることを目的とした。これまでにもすでに、一般相対論的数値流体コードを開発し、段階的に発展させ、シミュレーションを実行し様々な知見を得ていたが、これまでは理想化された状態方程式のみを用いてシミュレーションがなされてきた。観測と比較が可能なような重力波の波形を求めるには、現実的状態方程式を用いた研究が必要不可欠である。 そこで本研究では、現実的と呼ばれる状態方程式を2例用いてシミュレーションを行なった。その結果、以下のような非常に興味深い結果を得た。(1)連星の合計質量がある閾値以上の場合ブラックホールが形成されるが、その値が太陽質量の2.5〜2.7倍となる。この値は、これまで観測され正確に質量が決まっている連星中性子星の質量と同程度である。つまり、合体が起こった場合に、ブラックホールが形成されるか中性子星が形成されるかは、その質量に敏感に依存し、ケース・バイ・ケースとなる。(2)中性子星が形成される場合は、それは高速回転しているため楕円形状を取る。そのため強力な重力波源となり、次世代レーザー干渉計で観測可能である。 これ以外にも、中性子星がブラックホールに飲み込まれる前に潮汐破壊される条件などについても調べ、論文として発表した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)