相空間構造に基づく多遷移反応動力学とメソスケールで発現する新規なダイナミックス
Project/Area Number |
16032209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小松崎 民樹 神戸大学, 理学部, 助教授 (30270549)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 化学反応ダイナミックス / たんぱく質+水 / 水の場の集団運動 / 相空間幾何学 / 多遷移過程 / 次元縮約性とエネルギー地形 / 法双曲的不変多様体 / 遷移状態 |
Research Abstract |
1)反応遷移における統計性の起源 (摂動に対して滑らかにのみ変化し、急に消失することはない)構造安定な不変多様体がどのような状況下で崩壊し、反応遷移における真の確率過程(=反応選択性の消失)が出現するのか、については殆ど分かっていない。部分自由度に亘ってのみnormalizeする部分標準形理論を新たに導入し、活性化障壁よりも高いエネルギー領域においてNHIMの熱浴自由度間の共鳴がNHIMの構造安定性に与える影響を解析し、遷移過程が真に熱的になるメカニズムを解明した(投稿中)。 2)一分子時系列情報から背後に潜む状態空間の幾何構造を評価する手法の開発 第0近似として各準安定状態において局所平衡が達成されることを仮定し、退色効果などにより十分なサンプルが得られないような"短時間の"1分子時系列の"集団"から、(1)エネルギー障壁の高低や観測時間に依らずにすべて(少なくとも局所的に)平衡統計に従うことが仮定し、1分子時系列情報のみから系が経巡る各状態の分布関数を自己無撞着に決定し、各状態に滞在する滞在確率から対応する(局所的な)自由エネルギー値を、異なる状態間を"横断する遷移確率から対応する活性化自由エネルギーを推定する方法論を構築した。(2)観測時間が短い状況下では、特に、局所平衡が成立しない可能性が大きい。このため、局所平衡統計を前提としない、状態空間上の遷移ネットワーク構造を構成する方法論を構築し、その有用性を検討した(投稿準備中)。 このほか、遷移状態の分岐現象、O(^1D)+N_2O→NO+NO気相反応における短寿命反応経路における2つのNO分子間の高速エネルギー交換のメカニズムの解明、多次元エネルギー地形における構造多様性の尺度の開発も行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)