連続時間周期摂動系におけるトンネル効果の複素半古典論を用いた解析
Project/Area Number |
16032210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 公也 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70188001)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 多次元トンネル効果 / 複素半古典論 / カオス的トンネル効果 / S行列 |
Research Abstract |
周期摂動を加えた1自由度系(1.5自由度系)では、従来のインスタントン理論では説明が出来ないトンネル現象が観測される。これまでの研究で、本研究者は、インスタントン理論に代わる複素半古典論の構築を目指し、その結果、安定多様体と不安定多様体に誘導された複素軌道がトンネル現象に深く関与することを発見した。 平成17年度は、これまでの成果を応用し以下に述べる成果が得られた。 1.1.5自由度障壁トンネル効果の研究を行い、エネルギースペクトルにプラトーと呼ばれる特異的な形状が現われることを発見した。さらに、複素半古典論による解析で、安定多様体と不安定多様体に誘導されたトンネル軌道の理論でプラトースペクトルが説明可能であることを示した。具体的には、プラトーは不安定多様体がスペクトルに射影されたものである。また、2自由度系でも同様のプラトースペクトルが観測されることを示し、プラトースペクトルが多自由度障壁トンネル効果で極めて一般的な現象であることを証明した。 2.ステップ型や箱型のポテンシャルに周期摂動を加えた場合のトンネル効果の研究を行い、従来のインスタントン理論では、説明が出来ない異常なトンネル確率の増大やべき的に長いトンネル時間が現われることを発見した。さらに、複素半古典論を用いた解析を行い、このようなトンネル現象は安定多様体に誘導されたトンネル軌道が作り出すものであることを示した。ここで発見された、べき的に長いトンネル時間は、これまでのトンネル時間の定義のカテゴリーにない新しいトンネル時間の定義を提案するものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)