有機カチオンを活性種とする機能性分子触媒の設計開発
Project/Area Number |
16033210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺田 眞浩 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50217428)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 触媒 / 分子変換 / 分子認識 / 3中心4電子結合 / 水素結合 / 有機カチオン / グアニジン / アゾール / 有機触媒 / Baylis-Hillman反応 |
Research Abstract |
環境負荷の軽減は今や重大な社会的要請になっている。機能性を高めた新規触媒の開発による有機合成反応の高効率化はこれに応え得るものとして多くのアプローチがなされている。触媒開発は従来、金属錯体の設計に焦点が絞られ、現在も活発に研究が進められている。本研究はこうした金属触媒ではなく、有機カチオン種を触媒活性種とする分子触媒の開発を行なうことを目的とした。有機カチオン触媒の開発において戦略的な相互作用としてほとんど用いられたことが無い3中心4電子(3c-4e)結合を介した反応基質の活性化に着目した。水素結合は3c-4e結合の代表例であるが、有機カチオン種に付与した機能をこれら3c-4e結合を通じて反応基質に伝え、<有機カチオン種-反応基質>の動的錯体の制御による分子触媒の機能化を目標とした。 アルギニンは天然アミノ酸の一つであるが、その残基としてグアニジンを有している。このグアニジンは生体内ではプロトン化したグアニジウムカチオンとして存在するが、生体内における分子認識部位として極めて重要な役割を果たしている。その鍵となるのが水素結合を介した相互作用であるが、このグアニジニウムカチオンの水素結合能を触媒作用の活性化に活用するべく、グアニジンとアゾール二成分より生成するグアニジニウムカチオンとアゾールアニオンを触媒とする反応系を考案した。具体的にはグアニジンとアゾール二成分触媒系により、アルデヒドとα,β-不飽和カルボニル化合物とのBaylis-Hillman反応の触媒を検討した。2成分触媒系で生じるグアニジニウムカチオンはα,β-不飽和カルボニル化合物の活性化に寄与し、アゾールアニオンの1,4-付加の触媒として作用するとともに、引き続くアルデヒドとのアルドール型反応の活性化にも寄与しBaylis-Hillman反応の効果的な触媒系となることを見出した。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)