Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
(1)前年度において、trans-1,3-ジブロモ-1,2,2,3,4,4-ヘキサ-tert-ブチルシクロテトラシラン(1)シクロテトラシラン1を過剰量のカリウムで還元すると、対応するシリルジアニオンが生成することを見いだした。今年度においては、シクロテトラシラン1を、ベンゼン/THF中にて2当量のカリウムで還元したところ、特異な構造を有する1,2,2,3,4,4-ヘキサ-tert-ブチルビシクロ[1.1.0]テトラシラン(2)と同定される生成物が得られることを見いだした。X線結晶構造解析の結果、環骨格は完全な平面構造をとっていることがわかった。また、橋頭位のケイ素-ケイ素結合距離は2.856(2)Åであった。この結合距離の値は、これまでに報告されている最も長いケイ素-ケイ素結合の値(2.697Å)よりも大きい。ESR、直流磁化測定、分子軌道計算、^<29>Si NMR測定の結果から、このケイ素-ケイ素結合はπ結合のみの単結合である可能性と一重項ビラジカル化学種である可能性とが示唆された。 (2)1,1,4,4-テトラクロロ-1,2,2,3,3,4-ヘキサイソプロピルテトラシランと1,1,2,2-テトラクロロ-1,2-ジイソプロピルジシランを、THF中リチウムで交差カップリングすることによって、六環系ラダーポリシラン(3)七環系ラダーポリシラン(4)及び八環系ラダーポリシラン(5)を得ることができた。その結果、本年度において、長鎖ラダーポリシラン3-5の構造上の特徴と電子的性質を明らかにすることができた。 (3)グローボックス中で、三環系ラダーポリシラン(6)と2当量のカリウムを、18-クラウン-6存在下THF中で反応させると、ビス(シクロテトラシラニル)ジアニオン7が生成した。7の構造はX線結晶解析によって確定した。
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