Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
含フッ素イミドイル金属活性種は、アシルアニオン等価体として作用する、有機フッ素化合物合成において有用な活性種である。本研究の目的は、含フッ素イミドイル金属種の構造、及びその一連の反応について調査することである。私たちはイミドイル金属種の有用な合成化学的展開を目指し、今回、含フッ素イミドイルシランの効率的合成法を開発した。含フッ素イミドイルシランは、アシルアニオン等価体として働く有用な合成中間体である。2003年に私たちは、金属マグネシウムによる塩化含フッ素イミドイルのダブルシリル化について報告した。ダブルシリル化反応の際、まず塩化イミドイル中のイミドイル炭素-塩素結合切断が起こり、イミドイルマグネシウム種、続いてイミドイルシラン形成する。その後イミドイルシラン中の炭素-フッ素結合が瞬時に切断され、ビスシリルエナミンが生成する。今回行なった研究では、金属マグネシウムによって、中間体のイミドイルシランの選択的合成を行なった。第1段階のイミドイル炭素-ハロゲン結合切断を選択的に行なうため、1)反応に使用する金属マグネシウムの量比の減少、2)低温条件下で効率良く反応を行なうための添加物の検討、3)基質としての臭化イミドイルの利用を行い、イミドイルシランの選択的合成に成功した。また、イミドイルパラジウム種を経由して得られる含フッ素α-ジイミンの分子変換を行い、新しい環状α-ジイミンの合成を行なった。パラジウム触媒存在下ヨウ化イミドイルの還元的2量化によって得られた直鎖型含フッ素a-ジイミンに対し、1)金属マグネシウムによる脱フッ素化-シリル化、2)分子内[2+2]環化付加、3)NBS酸化を行い、含フッ素4員環ジイミンを得ることができた。
All 2006 2005 2004
All Journal Article (6 results)
J.Fluorine Chem. (印刷中)
Synthesis (印刷中)
Fluorine-Containing Synthons, ACS Symposium Series 第911号
Pages: 455-475
J.Fluorine Chem. 第126巻第2号
Pages: 165-171
The Journal of Organic Chemistry 第69巻第15号
Pages: 5132-5134
Organic Letters 第6巻第16号
Pages: 2733-2736