Project/Area Number |
16033249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松村 功啓 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (60026309)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 不斉炭素間結合形成 / ピペリジン / マロン酸エステル / 銅イオン / 1,2-ジオール / イソシアナート / ビスオキサゾリン / 動的錯体 / キラルリガンド / 炭素間結合形成 / カルバモイル化 |
Research Abstract |
平成16年度に引き続いて、1)動的キラル銅錯体を触媒とするピペリジン環への不斉アルキル化および2)動的キラル銅錯体を触媒とするジオール不斉認識を行い、1)、2)とも従来よりも高い不斉収率を得る条件を見出した。1)に関しては、キラルビスオキサゾリン(L^*)触媒、Cu(II>触媒の存在下に、マロン酸ジアルキルエステル(Nu)をN-保護-β,γ-不飽和-α-メトキシピペリジン(S)に反応させると、L^*、Cu(II)、Nuの3者からなる動的錯体が生成し、これがSに作用してアシルイミニウムイオン中間体が生じ、このイオンに動的錯体が攻撃して不斉炭素間結合形成が起こった。この不斉炭素間結合反応において、0℃でN-保護基をp-メトキシベンゾイル基にしたSに対してマロン酸ジp-ClPhエステルをNuに用いると97%ee、S構造でα位に炭素間結合が選択的に起こることを見出した。さらに、生成物とL^*の絶対構造に基づいて反応機構も提唱した。2)に関しては、L^*、Cu(II)の存在下に、環状meso-1,2-ジオールにフェニルイソシアナートを反応させると、L^*、Cu(II)、1,2-ジオールの3者からなる動的錯体にフェニルイソシアナートが反応して1,2-ジオールのモノカルバモイル化が効率的に起こり、且つ、生成物はキラル化合物であった。この不斉モノベンゾイル化は既に見出していた同様の不斉モノベンゾイル化と同等あるいはそれ以上の高い不斉収率であった。例えば、-40℃でcis-1,2-シクロペンタンジオー及びcis-1,2-シクロヘキサンジオールでは86%ee、cis-1,2-シクロオクタンジオールでは93%eeであった。ラセミジオールの動力学的光学不斉分割も同様のモノカルバモイル化反応により達成されたが、その%eeは不斉非対称化におけるものよりも若干低かった。
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