Project/Area Number |
16033252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
水野 一彦 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (10109879)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 励起分子錯体 / 光誘起電子移動反応 / 光二量化反応 / ジアステレオ選択性 / エナンチオ選択性 / フェナントレン / カルボン酸 / マンデル酸 / ラジカルアニオン / エキシプレックス / 水素結合 / 光アリル化反応 / 光環化付加反応 / ビニルエーテル |
Research Abstract |
基底状態または励起状態での水素結合、π-πスタッキング相互作用、CT相互作用を基軸とする動的励起分子錯体を設計・構築し、その特性を利用した立体選択的な新規光化学反応の開発を目的として研究を行ない、以下の成果を得た。 (1)1,1-ジシアノ-2,3-ジメチル-3-フェニルプロペン(1)とアリルトリメチルシランとの光誘起電子移動反応をフェナントレンとカルボン酸の存在下で行なったところ、1のアリル化生成物(2)と還元体(3)がそれぞれ得られた。添加するカルボン酸の構造、酸性度、当量数について検討した結果、2と3のジアステレオ選択性の向上にはカルボン酸のかさ高さ、β位のヒドロキシ基またはアミノ基、1に対して当量の添加、が重要であることを見いだした。また、不斉炭素をもたないプロキラルな1,1-ジシアノ-2-メチル-3,3-ジフェニルプロペン(4)を用いてエナンチオ選択性について検討したところ、S体のマンデル酸を用いたときに最も高い3.4%eeおよび4.8%eeが得られることが明らかになった。L-乳酸と(S)-マンデル酸で生成物の絶対構造が逆転したことから、マンデル酸のフェニル基と4のフェニル基との間のπ-π相互作用がエナンチオ選択性に影響を与えているものと推定した。 (2)2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン(5)のメタノール溶液に触媒量の9-シアノフェナントレン(6)の共存下で光照射すると、メトキシ基が導入された5の二量体がほぼ定量的に得られた。種々のアルコール、酢酸、シアン化物イオン、アンモニアも求核剤として作用し、それぞれ対応する二量体が生成した。6の触媒サイクルは、6の光還元により生じた9-シアノ-9,10-ジヒドロフェナントレンが、光照射条件下で系中の微量の酸素によって6へと酸化されることで成立しているものと推定した。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)