Project/Area Number |
16033262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
永田 央 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 助教授 (40231485)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 合成化学 / 超分子化学 / ナノ材料 / 化学物理 / 計算物理 / 金属ナノ粒子 / チオエーテル / 分子動力学 / シミュレーション |
Research Abstract |
前年度に引き続き、三脚型チオエーテルオリゴマーを用いた金ナノ粒子の安定化について検討した。ナノ粒子1個に対して多数の分子が結合しているという結果が前年度に得られていたため、ナノ粒子に対して分子サイズを最適化する必要がある。このため、さまざまな分子に対して、分子動力学を用いた計算機シミュレーションで1:1複合体の安定構造を探索した。具体的には、チオエーテルオリゴマーを構成する炭化水素部分(隣接するイオウ原子の間の部分)にナフタレン・ビフェニル・フルオレン等の広がりの大きな芳香族分子を12種類想定し、どのような組み合わせ・数の時にナノ粒子と最もよく相互作用するかを計算した。金ナノ粒子としては、実験で得られた1.5〜1.7nmサイズのモデルとして、AU_<147>を用いた。 三脚型のそれぞれの脚が持つ炭化水素部分の数(以下「残基数」と呼ぶ)が3、4の時は、フルオレンのような大きな芳香族分子を用いてもナノ粒子表面は十分には覆いきれない。残基数が5、6の時は、ナフタレン程度の大きさの分子でもナノ粒子表面は80%以上覆うことができる。興味深いことに、残基数が5までの場合、最も安定な構造では比較的ランダムに分子がナノ粒子表面を覆っているが、残基数6の場合に、3本の脚が三回対称のらせん状にナノ粒子に巻き付く構造が現れた。今回のモデル計算ではナノ粒子・分子間の相互作用は方向性を持っていないが、それでも適切な分子を設計することで、一定の方向性を持った複合体構造が現れうることを示唆している。 また、残基数5・6の場合に遺伝的アルゴリズム探索を適用し、少ない計算量で合理的な結果が得られることを確かめた。
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