Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
呼吸ゲートSPECTによって取得した各呼吸相の再構成画像において,呼吸に伴う肺の動きを補正する手法を考案した.本手法は,呼吸の各相で得た再構成画像における画素値の一致度と,変形の滑らかさに関する2つの目的関数を定義し,シミュレーテッドアニーリングにより変形を最適化させるものである.また,変形後の画素値を,肺の局所的な変形に伴うトレーサー粒子の密度変化に対応させるための伸張係数を導入し,より高精度な動き補正を行うことが可能となった.本手法を計算機ファントム,実ファントム,臨床データにそれぞれ適用し,適切な肺の動き補正が行えることを確認した.具体的には,計算機ファントムを用いた実験では,呼吸による変形を想定して体軸方向に最大18cm引き伸ばした画像データを計算機発生し,これに提案手法を適用したところ,ノイズ存在下でも,1画素6.4mmの分解能に対して位置補正精度2mm以下が実現できることが示された.また加算する吸気位相数を増やしていくことでノイズ抑制効果が高まることが確認できた.すなわち,このシミュレーションにより動き補正された各呼吸相の再構成画像を加算することによって,撮影時間を短くした場合に再構成画像に発生するノイズの影響を低減することが可能であることが示された.実ファントムを使った実験では,直径10mm,25mmのカプセルをコールドスポットとして複数配置したファントムに約185MBqの99m-Tc-Pertecnetateを注入して,呼吸ゲート撮影を模したデータ収集および非ゲートのデータ収集を行い,再構成画像により両者を比較した.この結果,提案手法によりコールドスポットが明瞭に描出されるなど,その効果が示された.さらに,呼吸ゲート法で得られた臨床データに適用したところ,呼気相と吸気相間の適切な動き補正が可能であることが示された.
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