Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Research Abstract |
1.Ce-スクッテルダイト化合物のうちの,CeRu_4Sb_<12>については,バンド計算では絶縁体だが,実験では金属で,矛盾していた。そこで,昨年度に構築したtight-binding模型を改良し,さらに本質的な部分のみを抽出した模型を新たに作った。これは,実験と合う半金属型の模型である。これを用いて,電気抵抗・熱起電力(Seebeck係数)・光学伝導度の計算を行い,半定量的に実験結果を説明することに成功した。(論文印刷中) 2.おなじく,CeOs_4Sb_<12>について,実験で,温度0.8Kでスピン密度波への転移が見つかっており,しかも,磁場をかけると転移温度が上昇するという特異な振る舞いを示した。我々は,1.と類似の模型を用い,分子場近似により,この現象を説明することに成功した。(論文発表済) 3.強相関電子系における光学伝導度およびホール伝導度の研究:通常金属における交流ホール係数は、R_H(ω)の虚部は殆ど0であり、これはボルツマン近似がよく成り立っていることを意味する。ところが高温超伝導体ではImR_H(ω)は有限のωで極めて大きな値をとり、その値は低温かつ低ドープ領域において非常に大きくなる。我々はR_H(ω)をFLEX近似に基づき、カレントに対するバーテックス補正をω依存性まで考慮して解析し、実験で観測される交流ホール係数の異常な振舞いを良く再現することが出来た。本研究により、高温超伝導体の交流及び直流輸送現象の振舞いが、フェルミ液体の立場からバーテックス補正を考慮することで「統一的に」理解できることが明らかになり、高温超伝導体の正常状態における電子状態の理解が進歩したといえる。(論文発表済) 4.Na_<0.35>CoO_2についても,理論的な解析を行った。(論文発表済)
|