スピンクロスオーバー錯体と導電性有機分子による多重機能性ヘテロ分子集合体の開発
Project/Area Number |
16038211
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎本 真哉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70345065)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 憲道 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60149656)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 光異性化反応 / スピロピラン誘導体 / 鉄ニトロシル錯体 / ジアリルエテン誘導体 / 光誘起磁気転移 / 有機ラジカルイオン塩 / テトラチアペンタレン誘導体 / ジチオオキサレート錯体 / 光誘起伝導性転移 |
Research Abstract |
近年、磁性や導電性を示す物質の物性を制御する方法の一つとして、光転移により分子の体積やπ電子系の大きさを変化させることのできる光異性化分子の利用が盛んに試みられている。このような観点から、我々は層状磁性体や有機ドナー分子に光異性化分子を組み合わせた光応答性ヘテロ分子集合体を開発し、その物性を調べた。 まず光異性化分子としてSpiropyranを用い、層状磁性体と組み合わせることで、2種類の強磁性相が共存するSpiropyran-[FeIIFeIII(dto)3]において、光照射によって単一相に磁性が変化することを観測した。この現象は、低温において光照射をした際にも観測することができ、このことは類似の系である(C3H7)4N[FeIIFeIII(C202S2)3]において起こる電荷移動を伴う磁気転移現象を、光によっていずれかの相に偏らせることができることを示唆している。次に光によって配位子の結合形態が準安定状態に変化するニトロシル基を持つ[RuCl5(NO)]を用いて、BEDT-TTFとの有機ラジカルイオン塩を合成した。この物質は構造解析やラマン分光の結果からは部分酸化状態が示唆されたが、伝導度、磁化率の測定からは孤立スピン系を持つ半導体であることが明らかとなり、on-site Coulombが有効に働くことで、金属的な挙動が抑制されていると考えられる。最後に光異性化分子の一つであるdiaryletheneを用いて、有機ドナー分子との組み合わせにおいて伝導層間の相互作用を外場により制御することが可能になるとの方針によりラジカルイオン塩を合成した。このときdiaryletheneを2価のアニオンとして利用したことにより、バンド絶縁体を形成する結果が得られたため、ドナー分子に部分酸化状態を実現するため、1価のアニオンを開発し、今後このアニオンとのラジカルイオン塩合成に取り組む予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)