ビフェロセン-TCNQ系電荷移動錯体の開発・新しい相転移物性の発現
Project/Area Number |
16038224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
持田 智行 東邦大学, 理学部, 助教授 (30280580)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ビフェロセン / 電荷移動錯体 / 相転移 / TCNQ / スピンパイエルス転移 / Ni(mut)_2 |
Research Abstract |
本研究では、新しい相転移物性の発現および相制御を目指したビフェロセン系電荷移動錯体の開発を主眼とする。私達は先に、ビフェロセン-F_1TCNQ系電荷移動錯体において、一価イオン性固体・二価イオン性固体間の相転移が起こることを見出した。同じく電荷移動錯体の価数転移である中性・イオン性転移については、Torranceらにより酸化還元電位と電子状態との相関が描かれている。今回私達は、一価・二価の相境界を明らかにすることを目的とし、一連のビフェロセン系錯体の酸化還元電位と原子価状態の相関について検討を行った。錯体合成には、同形結晶に関して系統的な相関を得る目的で、体積・分子形状が類似した3種の置換ビフェロセンと4種のTCNQ系アクセプターの組み合わせを選択した。これらのドナー、アクセプターの組み合わせは全て同形結晶を与え、いずれもDA比1:2のDAADAA型交互積層構造であった。分子内結合長・磁化率・ラマンスペクトルを検討することにより、それぞれの錯体の構成分子の価数を矛盾無く見積もることができた。すなわち、この物質群には一価固体と二価固体が存在し、中性・イオン性境界と同様、構成分子の酸化還元電位差と価数との間に相関が認められた。価数は格子体積とも相関しており、酸化還元電位差、格子体積との相関をプロットすることで、合理的な相境界図を描くことが出来た。この系の一価・二価相境界は実質的な酸化還元電位に関してE_D-E_A=0 V付近に存在し、これはイオン化エネルギーとマーデルングエネルギーの兼ね合いに関しても妥当な値である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Biferrocene-M(mnt)_2 Charge-Transfer Complexes (M=Ni,Co;mnt=maleonitriledithiolate). Structure, Valence States, and Magnetic Properties2005
Author(s)
T.Mochida, K.Takazawa, H.Matsui, M.Takahashi, M.Takeda, M.Sato, Y.Nishio, K.Kajita, H.Mori
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Journal Title
Inorganic Chemistry 44
Pages: 8628-8641
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