空孔サイズの直接測定による金属ガラスの相安定化機構ならびに結晶化機構の解明
Project/Area Number |
16039213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白井 泰治 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20154354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 秀樹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20202749)
水野 正隆 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50324801)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | アモルファス / 陽電子 / 陽電子寿命 / フリーボリューム |
Research Abstract |
昨年度研究を行った金属ガラスZr_<55>Al_5Cu_<10>Ni_<30>に続き、今年度は金属ガラスZr_<55>Al_<10>Cu_<30>Ni_5について研究を行った。金属ガラスZr_<55>Al1_0Cu_<30>Ni_5を20K、30minの等時焼鈍および結晶化温度付近での等温焼鈍を行い、結晶化過程の陽電子寿命測定を行った。陽電子線源には30μCiの^<22>Naを用い、fast-fasttiming coincidence systemにより室温で行った。また、あわせて、DSC、X線回折を行い、ガラス化および結晶化温度を決定した。金属ガラスZr_<55>Al_<10>Cu_<30>Ni_5のas-castでの陽電子寿命値は、測定の結果、170ピコ秒であることが判った。これに対して、構成元素である純Zr、純Al、純Cu、純Ni完全結晶中の陽電子寿命は、それぞれ、165、155、110、95ピコ秒と報告されている。一方、我々が第一原理計算により求めたZr_2Cu、Zr_2Ni完全結晶の陽電子寿命は、154、140ピコ秒であった。As-castの金属ガラスの陽電子寿命は、構成原子の完全結晶中の陽電子寿命、および、Zr_2Cu、Zr_2Ni完全結晶のいずれよりも大きい。陽電子は、電子の反粒子であり、電子と同じ静止質量およびスピンを持ち、反対符号の電荷、すなわち正の電荷を持つ。アモルファス中に陽電子が入射した場合、結晶材料と同様に、陽電子はイオンコアとのクーロン反発力によりイオンコアから離れた位置に存在する確率が高く、その位置でアモルファス材料中の電子と対消滅する。金属ガラスでは、自由体積が大きいため、消滅位置での電子密度は低く、陽電子寿命は長くなったと考えられる。言い換えると、陽電子寿命測定により、金属ガラス中の空孔サイズの直接測定に成功し、アモルファス合金の原子構造を定量的に明らかにし、それらと相安定化機構、結晶化機構との関係を明らかにできた。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)